３０ ページ48
＊
優side
「試合終了ー!!」
「「うわぁあぁああ!!誠凛が!?勝ったぁぁぁ!!」」
ブザーと審判の声が、響き渡ると同時に、体育館は一瞬でギャラリーの歓声とどよめきの声に包まれる。
スコア【(誠凛)100-98(海常)】
りんちゃんの持ってるスコアボードが目に入る。自然と頬が緩んだ。
…勝ったんだ。
しかも、その勝利を
コートの中にいるチームメイトの姿を見つめた。疲れてはいるものの、嬉しそうなのが分かる。
リコ「はー…一時はどうなることかと…。」
『でもまぁ、勝ちましたから！』
「終わりよければ全て良し、ですよ。カントク(ﾆｺｯ」
リコ「そうね。これも皆のおかげだわ!」
「ですね。感謝、しないと。」
リコさんと3人、そんな会話をしながら勝利の喜びを分かち合った。
＊
＊
＊
黄瀬「負け…たんスか？」
ポツリと呟かれた言葉が聞こえて、その方を向けば、呆然と立ち尽くす海常メンバーの中に混じっていた駄犬…
いや、黄瀬は勝利で喜ぶ誠凛とスコアボードを見てただただ、突っ立っていた。
そして次の瞬間____彼の瞳から涙がこぼれた。
黄瀬「あれ？あれ？」
「…………。」
自分でも何で泣いているのか分かっていないらしい。彼のながす涙は止まることなく黄瀬の頬を伝って流れて行く。
初めての敗北。帝光時代のバスケ部は百戦連勝の条件のもと、無敗を誇ってきた。
レギュラーで活躍してきた黄瀬にとっては、「敗北」というのは初めての体験で、初めて「悔しい」と思ったんだろう。
「黄瀬泣いてねぇ？」
「いや悔しいのは分かったけど…練習試合だろ、たかが…」
「たかがじゃないですよ。」
「「!!?」」
上で見ていた部員たちが、不思議そうにしていたので教えてあげることにする。
「彼の通っていた帝光中学校は、百戦連勝を条件だった。『勝つことが全て』つまり、レギュラーでもあった彼は、敗北を知らなかった」
『ずっと勝利するのが当たり前。負けるなんて論外。何だかんだで、結構苦労してたんだよ彼は。…そして今日、その苦労から開放されたとでも言っていいんじゃないかな。』
「『敗北を知ったから。』」
「「………。」」
「…ま、天才でも苦労してんだよ」
『そゆこと。』
そこまで言うと、彼らも理解したらしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「トリップ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
亜柚魅☆(プロフ) - ユキさん» いえいえ。URLはご自由にお使い下さい(^^) (2016年3月23日 20時) (
レス) id: 7bdadc09e1 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 亜柚魅☆さん» ありがとうございます！嬉しいです。 (2016年3月23日 19時) (レス) id: b4895c0cf1 (このIDを非表示/違反報告)
亜柚魅☆(プロフ) - 遅くなってすみません！！イメ画出来ました！！URL⇒http://uranai.nosv.org/img/user/data/5/e/f/5ef1faa1b8ed42d9e9a93227dc95bd90.jpg.jpg (2016年3月23日 19時) (レス) id: 7bdadc09e1 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - サクランさん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2016年3月5日 7時) (レス) id: b4895c0cf1 (このIDを非表示/違反報告)
サクラン - 凄く面白いです(*・∀・*) 更新大変でしょうが、頑張ってくださいネ！♪ (2016年3月5日 4時) (レス) id: 1bdc6b786d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
