6 ページ29
・
「翔さん」
『ふわぁ･･･松潤？』
縁側に座ってる翔さんの隣に腰を下ろした
「あの、ありがとう」
『ん〜？あぁ、どういたしまして』
「･･････」
『･･････』
会話が途切れてしまった
でも言いたい事はこれだけじゃない
(よし、聞くんだ俺！)
「翔さんさ、」
『ん？』
「俺の勘違いなら恥ずかしいけど」
『うん？』
「昨日ずっと俺のあと付けてた？」
ピクっと翔さんが固まり
『あ、いや･･･あれはその』
バツが悪そうに後ろ髪をかく
「あの幻の蔵に行く途中何度かりんたが振り返ってたんだ
最初は俺を見てるのかと思ったけど視線は合ってない
あれってもしかして追いかけてくる翔さんを
振り切ろうとしてたのかなって思って
あとみんなが翔さんが俺のすぐ後に出かけたって聞いて」
何も言わない翔さんに不安に思えてきて声が小さくなる
(違った？俺の思い違い？)
ぐるぐる頭の中でそんな思いが回ってると
『正解だよ』
「えっ？」
『昨日はずっとお前の後を追ってた』
困ったように笑った翔さん
『ごめんな、心配でさ』
「謝る必要ないよ そのお陰で助かったし」
『でも俺が見失ったせいで突き止めるのが遅くなった』
ごめんと呟いて自分の手をぎゅっと握ってる
だから謝る必要ないって
「翔さんの姿が見えた時安心したんだ」
『･･････』
「助けに来てくれたって」
『･･･こんな俺に？』
ゆらゆらと黒い瞳が揺れる
どうしてそんな事聞くんだろう
「当たり前じゃん」
翔さんは俺らの友達で仲間でしょ？
・
『安心･･･か』
みんなが寝静まった夜一人外を見てると
〔なに悩んでるのー？〕
松潤にりんたと呼ばれていた人形が俺の前に出てきた
『まだいたのか』
〔うわ、怖いなぁもう〕
目を紅くしちゃってさと言われ焦った
まずい早く戻さなくては
〔あはは、動揺して出てるよ〕
ばっと手で頭を抑えた
〔警戒心が強いな〜〕
『また寝込みを襲って来たのか』
あの日もこいつはここに来た
俺が追い払ってやったけど
〔ううん 明日帰るんでしょ？だから顔が見たかっただけ〕
そう言って松潤の傍に行った
なにかするつもりなら遠慮なく燃やしてやろうと思ったが
本当に寝顔を見てそのまま帰って行った
『はぁ･･･』
何も無かった事にほっとして俺も眠りについた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 127人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リス(プロフ) - 妖さん» ありがとうございます！そう言って頂けると励みになります。 (2019年10月4日 22時) (
レス) id: f3ab4dd572 (このIDを非表示/違反報告)
妖 - はじめまして！とても面白い作品ですね。更新、気長に待っています。 (2019年9月30日 19時) (レス) id: c254da3528 (このIDを非表示/違反報告)
リス(プロフ) - コメントありがとうございます！この小説では5人がメインなので5人のわちゃわちゃしてる姿も楽しんで頂けたら幸いです (2019年9月1日 0時) (レス) id: f3ab4dd572 (このIDを非表示/違反報告)
櫻翔 - 夢主さんがいる作品も好きですが､5人の物語もとっても素敵です｡リスさんのペースで頑張ってください(^-^) (2019年8月30日 23時) (レス) id: ae35368d95 (このIDを非表示/違反報告)
櫻翔 - はじめまして｡いつも読ませていただいています!翔さんがメイン?で嬉しいです｡5人とも謎が多いですが､これから解き明かされると思うと楽しみです!!更新､待ってます(*^･^*)/ (2019年8月30日 23時) (レス) id: ae35368d95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リス | 作成日時：2019年8月3日 0時
