Non SALT. 【 佐 野 玲 於 】

ep.7 ページ7

＊


周りを見渡すと広いエントランスの隅に
一つのソファがあった。


(あそこに座って待ってよう。)


私がソファに座ると、
後から玲於くんも私と少し間隔を空けて
同じソファに腰を降ろす。


彼はポケットから携帯を取り出すと
指でスルスルと操作し始めた。



A「ふぁーーー」


だんだん夢の中に引き込まれるような
ぼんやりした感じに襲われて来る。



玲於「…疲れた？」


それまで黙っていた彼が口を開いたので
驚いて横を見ると、
携帯を操作する手を止めて
顔をこちらに向けている彼と目が合った。


A「あ、すみません…っ
座って落ち着いてたら
急に眠くなってきちゃって。」


玲於「ふーん。」


そう言って彼はまた
携帯の画面に視線を落とす。


A「あの、佐野さんもこの後
メンバーの皆さんとお食事に行くんですか？

…私もさっき白濱さん達から誘って頂いて、、」


玲於くんがまた私の方を見る。


玲於「え、何？アンタも来るの？」


A「駄目…でしたか…？」


「うーん」と、彼は少し考え込んで

玲於「今日は帰った方が良いんじゃね。」

と、距離を感じる冷めた声で言う。


A「そ、そうですよね！
今日会ったばかりの人と一緒になんて
嫌ですよね…！」


(やっぱり図々しかったかな・・

せっかくだけど後で白濱さん達に謝って
今日は大人しく帰ろう。)


玲於「いや、そうじゃなくて…」


A「？」


＊

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