観察 ページ7
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結局私が提案した【少しの間だけのんちゃんと一緒に帰る】案を手を出さないことを条件に可決してくれた神ちゃん。
それでものんちゃんは喜んでいて神ちゃんの顔は険しいままだった。
そのまま時間が過ぎて夕方。
今日は外食しようと元々話していたので、近くのファミレスまで向かうことに。
男がたくさんいても心配だからと言う理由で私の左手は神ちゃんの右手と繋がっていた。
冷やかす男子勢を無視してファミレス到着。
奥の席へ案内されるととあることに気がついてしまった。
隣に座った神ちゃんに耳打ちをする。
驚いた表情で近くの席をチラ見する彼。
目の前に座るしげ達は私達が話していることすら知らないくらいメニュー表に夢中になっている。
「 ほんまや、絶対ナミ達やん。知らんふりしとこう 」
「 セルフでドリンク取りに行く時気づかれる気がするけど… 」
「 せやけどもう入っちゃったしどうにもできひんよ 」
近くの席でガールズトークとやらで盛り上がっているのは、先程寮に来たユウナ先輩と友達のナミ先輩。
この男子勢と一緒にいるところを見て二人はどう思うだろう。
神ちゃんはメニューと睨めっこする三人に今の状況を伝えた。
席を離れる際は気づかれないようにすることが決まった。
それぞれ食べる物が決まって店員を呼ぶ。
料理を待つ間ドリンクを持ってくることに。
ジャンケンの結果、流星さん・のんちゃん・神ちゃんの三人が行くことになった。
残る私としげはソワソワしながら待機する。
「 そう言えば小瀧と帰る約束したやん？今ここでこのメンバーが仲良うしてんの見たら絶対お前らにも目向けるで 」
「 じゃあ席バラバラにしてもらう？シャッフルして私と流星さんが二人で食べるとか 」
「 そこまでせんでええわ(笑) ちなみに神ちゃんとお前が付き合ってんの俺らの学年では全然知れ渡ってへんからな 」
「 そうなの？デマばっかり流すくせに 」
「 ほんまそれ 」
「 てことはナミ先輩はまだ神ちゃんに未練があるかもしれないってこと？ 」
「 んー、あんま喋ってんの見かけてへんけど目で追ってるのは確かやな 」
「 よく知ってるね、人間観察好き？ 」
「 別に好きちゃうし(笑) 神ちゃんのことよう見てんな〜っては思う 」
遠くのドリンクバーからのんちゃんの笑い声が聞こえてくる。
あなた目立つんだからそんな高らかに笑わないでよ。
私としげの心の声はきっと一緒だ。
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作者名：ひよこ | 作成日時：2019年5月17日 18時
