君の名は…流星side ページ17
.流星side
全校生徒が集まってんのとちゃうか?と錯覚するくらいクラスの人口密度が高い休み時間。
やっと放課後になってみんなバラバラに動いていくのを、バイトが休みだった俺は溜息をつく神ちゃんの隣でボーッと見ていた。
「 なあ流星、明日から俺と席交換せーへんか? 」
「 ごめんやけどそれは嫌やわ 」
「 じゃあ俺が流星になるから流星が俺になってくれ 」
「 …入れ替わるってこと? 」
「 うん。バイト行ったるからさ 」
「 ……ええなそれ 」
嫌々バイトをしてるわけと違うけど、明日は忙しくなりそうやから今の時点で憂鬱やった。
神ちゃんが俺になってくれるんやったら最高や。
「 ま、そんなん出来るわけないけどな 」
「 えー。先に言うたん自分やで 」
「 普通に考えて無理なことくらい分かるやろ 」
そう言って笑う神ちゃんの横顔を見ていると、離れた位置から俺らを呼ぶ声がした。
見てみると廊下でしげが手招きしている。
俺らはしげの元へと駆け寄った。
「 どないしたん? 」
「 ここにいても退屈やん。小瀧んとこ行こうや 」
「 望もう帰ったんと違う? 」
「 あいつが一人で帰るわけあらへんがな 」
しげのその言葉に焦りだす神ちゃん。
気づけば神ちゃんを先頭に望のクラスへと向かっていた。
懐かしい教室に辿り着くと、望はAと談笑している最中やった。
隣の席やから距離も結構近くてこれは神ちゃん嫉妬するやろなと思ってたら案の定二人の間に入り込む彼氏。
一方の彼女は見上げながら嬉しそうに神ちゃんの手を握って笑う。
「 悪いこと企んでんとちゃうよな? 」
「 神ちゃん、こいつ嫉妬させたいとか言うてこの距離で話してたんやで。悪いやつやんな 」
「 ああ?お仕置きされたいんか?ドMか? 」
「 だって神ちゃんなかなかお迎え来てくれないんだもん、アイドルと話してるのかな〜って。ね〜のんちゃん 」
「 こうやって少しずつ俺にハマっていくねん 」
「 俺のもんやぞ 」
若干バチバチになる神ちゃんと望。
手を握ったままのAは俺としげを見てやれやれというような表情をして見せた。
「 久しぶりに全員で帰ろう〜。神ちゃんものんちゃんも落ち着いて 」
「 「 誰のせいやと思ってんねん 」 」
ピッタリ重なった二人の声に爆笑するA。
神ちゃんも望も彼女に遊ばれとるみたいで俺もこっそり笑った。
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作者名:ひよこ | 作成日時:2019年5月17日 18時