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四月五日 ページ9

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今日は朝から憂鬱だった。

春の恒例行事であるスポーツテストと身体測定が待っているからだ。

それに比べて寮生は朝から元気だった。

神ちゃんに関しては朝からストレッチをしてやる気満々。

普段はポーッとしているイメージのある流星さんは昨夜筋トレをしていたから驚きだ。

きっと授業を受けなくてもいいからという理由だと思うけど私個人としては何も嬉しくなかった。





「 Aは朝弱いの? 」





いつもは髪をおろしているが今日はポニーテールで気合いを入れるサクラが顔を覗き込む。

私もそのくらいの体力の自信が欲しい。





「 こいつ運動苦手やねん 」


「 のんちゃん勝手なこと言わないでよ… 」


「 嘘ついてへんやん。特にシャトルラン大っ嫌いやんな(笑) 」


「 へえ、そうやったんか。のんちゃんはAのこと何でも知っとるね 」


「 サクラ騙されちゃダメだよ、私シャトルラン好きだから 」


「 ほんまに?あれのどこが好きなん?あたしは大っ嫌いやで 」


「 ソフトボール投げるよりはマシだから好き 」


「 何なんそれ(笑) のんちゃんAのこと分かってるようで分かってへんやんか(笑) 」


「 今回は外れただけや、他にも色々知っとる 」


「 もう、のんちゃんもサクラもやめて!とにかく私は今日一日テンション上がんないの!余計なこと言ったらのんちゃんマジで口聞かないから 」


「 マジな目すんなや(笑) こうやって機嫌悪なったら頭撫でれば大人しくなるねん 」





そう言うと本当に頭を優しく撫でてくるからそれを振り払ってのんちゃんの耳を思いっきり引っ張る。

サクラは面白そうな目でこちらを見ている。

怪しまれるのも無理はない。





「 これで付き合ってへんのがおかしいくらいやわ。ほんまは付き合ってんのと違う? 」


「 違いますー!この人とはただの腐れ縁! 」


「 俺はこうしてひたすらAに嫌われる。サクラ、俺可哀想やと思わへん? 」


「 少しは可哀想やなって思う。少し 」


「 俺の味方はおらんのかい 」





サクラはポニーテールを揺らしながらケタケタ笑う。

いつもと違う雰囲気の彼女はとても可愛い。

神ちゃんとお似合いだと思うのだが…



そんな話をしていると担任が入ってきて今日の予定が書かれた用紙を黒板に貼ると、最初は身体測定から開始すると言ってクラス全員で体育館へ移動することになった。

身長は伸びていますように。

体重は極力減っていますように。







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作者名:ひよこ | 作成日時:2019年4月26日 0時

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