四月一日 ページ6
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卒業式から丸一ヶ月が経過した。
先輩が卒業したと思ったら今度は後輩が入学。
いつのまにか私とのんちゃんは先輩の立場になり、しげ達は上級生になっていた。
ちなみに未だ神ちゃんの想い人が誰なのか分かっていない。
そのことに関して私以外の三人は何も触れず、私だけが気になっているようだった。
学年が上がればクラス替えがある。
誰と同じクラスになるのだろうと数日前から緊張していた。
朝、昇降口前にクラスがわかる貼り紙が掲示されることになっているので誰よりも早起きして誰よりも先に寮を出た。
既に群がっている生徒の間を割って自分の名前とクラスを確認する。
上から順に丁寧に見ていくとのんちゃんの名前を見つけた。
続けて確認するとその真下にどう見ても私の名前が記載されていることに気づいた。
「 コの次はサですよね…佐々木Aって私ですよね…卒業まで一緒か…… 」
「 またAと一緒やん、運命? 」
真上から声がするので見上げてみると、超至近距離にのんちゃんのお顔があった。
近すぎて失神するかと思った。
「 ここまで来たらもう腐れ縁やろ。出席番号的にも前後やし土日すらも一緒やし 」
「 本当に腐れ縁… 」
のんちゃんに飽きてしまった私(言い方)と私に全然飽きない様子ののんちゃんは同じ教室へと向かった。
そこはしげ達のクラスだったのであまり新鮮な感じはしなかった。
教室の黒板には席順が書いてある用紙が貼ってあって、何度確認しても私とのんちゃんは前後の席。
目の前にある見慣れてしまった大きな背中をボーッとしながら見つめていると、隣の席の人から声をかけられた。
ハッと我に返り隣を見ると、神ちゃんに告白しフラれてしまったサクラだった。
私がそれを知っていることを知らない彼女は、のんちゃんをチラチラ見ながらこう口にする。
「 お二人さんまた同じクラスになったんやね 」
「 腐れ縁みたい… 」
「 そんなこと言わんでよ〜、すっごく似合ってる 」
「 やめてやめて!一緒にいると疲れちゃうから嫌なのよ 」
「 のんちゃんこんな風に言われてんで、悲しいな(笑) 」
「 え?俺?俺が何? 」
「 あなたは前だけ見てればいい 」
「 なんやそれ 」
口を尖らせて仕方なく前を見るのんちゃんを見て笑うサクラ。
他にもしげの彼女であるアイちゃんとも一緒だということが判明した。
何やらまた一悶着ありそうな予感で寒気がした。
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作者名:ひよこ | 作成日時:2019年4月26日 0時