四月二十一日 ページ24
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今年の大型連休は「超」が付くほど長期間でテレビをつけるとそのことばかりをネタにしていた。
寮母さんは寮母さんの家庭があるから申し訳ないけど留守にすると言っていた。
とは言いつつもみんなそれぞれ実家に帰省するらしく、寮母さんが留守でも何の問題もなかった。
だが私はそうではない。
ずっと帰省していると寮に戻ってきた際にホームシックになるのではないか。
前半後半のどちらかを両親と過ごす時間にしようと決めた私は、寮母さんが留守になってしまうと数日間は即席ラーメンで過ごすことになるのではと。
高校生になったら料理を少しずつ覚えていこうと決意していたけど寮母さんに甘えっぱなし。
寮母さんが留守の休日は神ちゃんに甘えっぱなし。
少しずつ自立していかないとなあ。
「 今年のゴールデンウィークは初日から帰省するかラッシュずらすか迷うな〜 」
夕飯を食べた後、入浴中のしげを待つ神ちゃんがポツリと呟いた。
その言葉に流星さんは、俺もと同意する。
「 てか俺バイトやから地獄のゴールデンウィークやねん。実家から通った方が近いから帰省するけど一生こんといてほしいわ 」
「 俺らのために働いてくれてありがとう流星 」
「 ええねん。みんなの役に立てれば 」
自分でいいこと言ったとばかりにドヤ顔になる流星さんを見て、のんちゃんは鼻で笑った。
「 少しの間だけ寮に残る人いない？ 」
「 何で？A帰らへんの？ 」
「 帰るんだけど少しはここに残ろうかなって。ここに一人じゃ寂しいから誰か一緒に残ろう 」
「 A、それはあかんやろ。うん。あかん 」
のんちゃんは私の意見を否定する。
それにこっそり同意してるのは神ちゃんだった。
まだ二人は冷戦状態、いつまで続くのやら。
「 どうしてダメなの。ほんとに誰でもいいんだよ 」
「 お前はほんまに分からんのか 」
「 何を？ 」
「 ここは言わんほうがええかもな 」
「 ハッキリしなさい 」
「 ハッキリ言うたら俺ど変態になる！絶対に言わへん！ 」
「 うわ〜そういうことばっかり考えてたのか〜、のんちゃんは残らなくてよし 」
「 はー何やねんそれ！意地でも残ったるぞ 」
「 そしたら意地でも寮母さん残す 」
「 あ、それは完璧敗北やわ。寮母さんにだけは叱られたない、怖いもん 」
その言葉に笑うと、しげがお風呂から上がってきた。
以前のしげに戻りつつあった。
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作者名：ひよこ | 作成日時：2019年4月26日 0時
