四月十七日 ページ20
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私と神ちゃんの噂はいつのまにか消滅した。
噂とはそういうものだ。
それでも神ちゃんとのんちゃんはどこかギクシャクしていて、二人で話しているところを見なくなった。
ちょっとした冷戦やからAは意識することやないと流星さんが言っていた。
それを聞いて余計なことは口出ししないと決めたのだった。
「 あ、A。俺のワーク提出しに行ってくれへん？ 」
放課後、のんちゃんは私の机の上に自分のワークを置いて教室を出ようとした。
「 ちょっと待って！自分で出しに行きなよ！ 」
「 流星と約束してんねん！それに先生に直接渡すわけやないし頼む！ 」
言いながら両手を合わせるとすぐに教室を出て行った。
流星さんと何の約束してるんだあの人は。
のんちゃんが言った通り先生に直接提出するわけではなく、職員室の前にある棚に置いておけば提出完了という制度。
流星さんと一緒に職員室まで行くこともできるのになぜ無関係の私が行かなければならないのか不満だった。
でもこのまま知らないふりもできないし、後から文句を言われても困るので渋々ワークを手にして職員室まで向かうことにした。
職員室の前は明日の授業の予定を確認する生徒がチラホラいて、小テストがあることに嘆く男子もいた。
小テストは嫌だよね〜と心の中で共感しながらのんちゃんのワークを指定の場所に置いた。
任務完了したところで、私も明日の授業の予定を確認するため移動すると、同じように小テストがあることに気が付いた。
のんちゃんも嫌だろうなと考えながら昇降口へと歩き始める。
その途中、私は知らない後輩二人から声をかけられた。
それぞれマイとアカリだと名乗ると、明るめのショートのマイがぐっと近づいて質問してくる。
「 A先輩は小瀧先輩と同じクラスですか？ 」
「 ま、まあ一緒だけど… 」
「 ほんまですか！よかったねアカリ！ 」
黒髪ロングのアカリの肩を叩いて喜ぶマイ。
何の話なのか分からず戸惑っていると、こちらを見たマイは続ける。
「 小瀧先輩ってもう帰っちゃいましたかね？ 」
「 帰ったけど…どうしたの？ 」
「 あ、何でもないです！忙しい時にごめんなさい！さようなら！ 」
二人はぺこりとお辞儀をしていくとキャッキャ言いながら昇降口へと走って行った。
一瞬すぎて何が何だか分からないけれどどうして私の名前を知っているんだろう。
それが一番の疑問だ。
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作者名：ひよこ | 作成日時：2019年4月26日 0時
