幼稚 ページ18
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コンコンとノックする音が聞こえる。
ベッドの中に入って泣いている私は幼い子供のようだった。
このまま夕飯も食べずに泣き寝入りしたい。
明日は日曜だから目が腫れても構わない。
「 俺やで。入れてくれ 」
廊下から聞こえてくるのは流星さんの声だ。
彼だけは何も口出しすることはなかったから唯一の味方。
布団から顔だけ出し、流星さんならいいと言うとガチャリとドアを開ける音がする。
それはやはり流星さんで、部屋に入り椅子に座ると布団をポンポンと叩いて私の名前を呼ぶ。
「 お腹空いたやろ、ご飯食べへんの? 」
「 今はいらない 」
「 子供やなあ。望はもうリビング行ったで 」
「 ほんと?閉じこもったわけじゃないの? 」
「 Aより大人やねんな、少しだけ 」
ふははと笑うと私の髪を優しく撫でてくれる。
それでも私は布団から起き上がらずにいた。
「 でも全然喋ろうとせんよ。機嫌悪いんやろな 」
「 のんちゃんは何で機嫌が悪くなっちゃったんだろう 」
「 それはAと神ちゃんの噂聞いて嫉妬したんやない? 」
「 のんちゃんが嫉妬? 」
「 俺の予想やけどな 」
「 流星さんの予想って当たる? 」
「 時と場合による(笑) 」
流星さんは髪から手を離して続ける。
「 神ちゃんもああ見えて恥ずかしがり屋さんやからな、素直な気持ちをすぐに言えへんのかも 」
「 どういうこと? 」
「 それは本人から聞いたってや。俺が代弁するあれやないし 」
「 凄く気になる 」
「 気になるんやったらリビング来ることやな 」
流星さんは子供の扱いが上手なような気がした。
話の持っていきかたがうまい。
「 酷いこと言っちゃったから謝らないとなあ 」
「 せやなあ、ショック受けてたで 」
「 …ありがとう流星さん。私謝ってくる 」
「 俺は何もしてへんよ 」
ムクリとベッドから起き上がり流星さんを見ると、軽く吹き出されてしまった。
髪が乱れ、泣いたせいで目が赤くなっているらしい。
リアルでいい、髪だけは整えてこのままで出陣しよう。
私達は部屋をあとにしてリビングへ。
三人はこちらを見ると箸を止める。
流星さんは食べ始めてすらいないことが分かった。
みんなに迷惑かけちゃったな…
神ちゃんの近くまで行っていざ謝ろうとすると、自分がやってしまったことに対する知能の低さに何も言えずに固まってしまった。
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作者名:ひよこ | 作成日時:2019年4月26日 0時