積極的 ページ11
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しょんぼりする私を慰めるように肩を組んでくるサクラ。
次は体重測定なのでモチベーションは上がらない。
同じ体育館内にその一角があるわけではないので移動することに。
見たことのない生徒とすれ違う中で、偶然にも神ちゃん、流星、しげと遭遇した。
三人はもちろん同じクラスなのでその中でも一緒に行動している。
私の肩を組んでいたサクラが急に立ち止まったので思わず前のめりそうになったところを、神ちゃんが瞬時に助けようと手を差し伸べてくれた。
が、私が倒れることはなく触れずに済んだ。
先程と違って気まずい空気が流れる。
口を開いたのはまさかの神ちゃんだった。
「 身長どうやった？ 」
「 女子に身長聞く？ 」
「 体重とちゃうやん(笑) それと先輩に向かって敬語使わんとかどんな神経してんねん 」
私達は寮生の関係でもあるが、サクラ達から見れば先輩後輩の関係。
いつものくせでタメ口をきいてしまったがすかさずフォローしてくれる神ちゃん。
「 あーごめんなさい。身長は神山先輩よりも高い自信あります 」
「 何言うてるん、普通に小ちゃいやんけ(笑) 」
一歩前に出て自然と私の頭に手を置く神ちゃん。
肩を組んでいたサクラの腕はスルスルと抜け落ちていく。
その手を置いたまま、目線を合わせるように少し顔を下げて覗き込むような形に。
「 Aまで俺のこと小さい思ってんの？ 」
「 …思ってないです 」
「 なら対抗心燃やすな(笑) 」
頭を軽くポンポンとすると、ハッと我に返ったように流星達を見てから生徒の渦の中へ消えていった。
しげはアイちゃんとアイコンタクトを取っていた。
にしても今の神ちゃん超積極的…
不覚にもキュンキュンしてしまった…
みんながいる前であんなことできるなんてどうしたんだろう…
「 神山先輩とイイ感じなん？ 」
別室までの移動中、アイちゃんにそう聞かれた。
きっとサクラの代わりに聞いているのだろう、さっきまで肩を組んでいた彼女はハルカとユキと話している。
「 何の関係もないよ 」
「 ほんまに？満更でも無さそうやったで自分 」
「 そんなことないって 」
「 大毅くんにそうされたら心臓飛び出るけどなあ 」
アイちゃんは上の方を見て自分に置き換えている。
この体験をしてドキドキしない人はいないと思うんだ。
神ちゃんが心の隙間に入り込んでくるような、変な感じだった。
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作者名：ひよこ | 作成日時：2019年4月26日 0時
