渦 ページ2
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三人で声のする方へ向かうと、女子生徒に埋もれるように照史先輩と�陲舛磴鵑�押し潰されていた。
それを見た淳太先輩が手を叩きながら渦の中へ入っていく。
自然と道ができて初めて先輩二人の顔がハッキリと見えた。
制服は乱れボタンは一つも見当たらない。
ボタンどころか校章も無くなっていた。
私とのんちゃんは少し離れたところからその様子を見ていた。
「 二人とも大丈夫か？死にそうな顔して 」
「 全然平気や。ここまで群がるとは思わんかったけどな 」
「 途中照史が見えんくなった時は終わったと思ったわ(笑) 」
「 俺も�陲舛磴鷙�折したらどないしよう思って心臓バクバク(笑) 」
すると淳太先輩が女子生徒達をゆっくり見渡しながら先生のように注意する。
「 誰かが怪我したらせっかくの卒業式が台無しになるやろ？ボタンが欲しい気持ちも分からんでもないけど危ないからもう終わりにしよう 」
「 分からんでもないんか… 」
隣でのんちゃんがボソッと口出しをすると、彼に気付いた女子生徒数名がキラキラした目でこちらへやってきた。
思わず後退りをして外野からその現場を見ることになった。
そんな私を見つけた照史先輩が名前を呼んで手を振りながらこちらへやってくる。
照史先輩のファンがこちらをギロリと睨んでいるのが分かる。
「 騒がしくてほんまごめんな。あとでゆっくり話そうや 」
「 のんちゃんも挨拶したいって言ってて… 」
「 こいつはこいつで色々事情あるみたいやし丁度ええんやないか？しげ達も来るって言うてたから全員集まったら、な 」
そう言って微笑むと元の位置へ戻って�陲舛磴鵑判濛誓菁擇伐燭�を話し始める。
隣ではのんちゃんが軽く揉みくちゃにされていて、顔だけが見える状態がおかしくて笑ってしまう。
すると遠くにいた先生が戻ってこいと私達はもちろん女子生徒達に呼びかけてきた。
おかげでのんちゃんは女子生徒地獄から脱出することに成功した。
一気に老けたような疲れ顔で私を見る。
「 俺らも教室戻ろうぜ。サボりがバレる前に 」
「 もう既にバレてると思うけど 」
「 俺ら待ちやったらほんま最悪や、急げ！ 」
そう言って先輩達に、また後でと声をかけると来た時と同じように腕を引っ張って廊下を走り始める。
のんちゃんの香りが後ろにいる私の元に流れてきて心臓が速く動き出す。
調子が悪くなったのかと軽く自分を疑いながら彼に身を任せた。
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作者名：ひよこ | 作成日時：2019年4月26日 0時
