半分 ページ4
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「 腕筋肉痛なりそう 」
「 あの量で筋肉痛はか弱すぎるやろ 」
「 女だし 」
「 俺が仮に女でもそないか弱くない自信ある 」
職員室までワークを運び教室までの廊下を言い争いながら歩く。
どうせなら荷物も持ってきたらよかったな。
用事終わったらそのまま帰れたじゃん…
「 なあ、聞いてほしいことあんねんけど 」
私の左を歩く望の髪は夕陽が当たる度に金に近い色に染まる。
「 荷物とったら自販機行かへんか？ 」
「 もしかして 」
「 言いたいこと分かった？ 」
間違いなければいつも飲んでいるあれを買いに行こうと言われるような気が…
「 まあ行ってみてから答え合わせな 」
何が答え合わせだよと思いながら教室へ入り、リュックを背負って昇降口へと向かう。
自販機を前にした望は私を見て掌を見せた。
意味が分からず困っていると、彼の表情はどんどん膨れっ面になる。
「 分かってくれたんとちゃうんか！ 」
「 あれでしょ、いつも飲んでるイチゴミルクを買おうとしてるんでしょ…？ 」
「 それは合ってる！50点！ 」
「 はあ？ 」
「 奢ってほしいねんな〜、さっき多めに持ってやったし〜 」
ケチか。心の中でツッコミを入れる。
「 奢らないとどうなるわけ？ 」
「 ん？一緒に帰る 」
「 奢っても一緒に帰る羽目になるじゃんバカなの？ 」
「 バカちゃうし！ええから奢って！ 」
このままじゃ終わらないと思ったので渋々イチゴミルクを奢った。
美味しそうに喉仏を動かす姿を見たら私も飲みたいと思ったので同じ物を買った。
そしたらお前も好きなんかってからかわれた。
否定するとイチゴミルクの味が口に広がった。
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作者名：ひよこ | 作成日時：2018年9月15日 23時
