出会い ページ2
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窓側で前から三番目と四番目に座る望と私が初めて出会ったのは中学の頃。
父親の仕事で関東から関西へ引っ越してきた私の部屋の隣に住んでいたのが彼だった。
マンション生活から脱却して一軒家に住んでみたいと何度も思ったが引っ越す先は必ずマンションだった。
クラスは違ったものの同じ中学へ通い、高校は偶然にも同じでクラスも一年から現在の三年までずっと一緒の腐れ縁。
朝から晩までずっと同じ空間にいるようなもんである。
とにかく彼は明るくて人懐っこくて、でもどこかクールで落ち着いている、そんな性格。
背も高く顔も整っているため学年どころか学校中の人気者。
それに比べて私はどこにでもいる平凡な高校生で身長は周りよりも少し低く、盛って153センチ。
私達が並ぶと目立って仕方ない。
無理に並ぼうとはしていないけど。
一番迷惑しているのは今のこの現状だ。
黒板の左側が見えないのである。
少しシワが入った白いシャツとフワッフワにセットされた茶髪が私の勉学の邪魔をしている。
自然と右側に体を逸らして黒板を見るのだが、後ろにも目がついてるのかと疑うくらい彼も同じように右へ体を逸らす。
何故偶然にも同じタイミングで体を逸らすのか、そもそも逸らす必要無いのでは?
と最近になって彼の意思で動いているのだと考えるようになった。
早く席替えをしたい、最近の悩みはこれだった。
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作者名:ひよこ | 作成日時:2018年9月15日 23時