スイカ ページ6
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家に辿り着くと、神山くんは驚いていた。
雰囲気が彼の田舎に似ているらしい。
縁側に移動していたおばあは私たちを見ると
手招きして自分の元へ招き寄せた。
「 Aのお友達かい？ 」
「 さっき海で知り合った神山くん。グリーンフラッシュを見に来たんだって 」
「 神山です。急にお邪魔してすいません 」
「 誰もいないから全然いいのよ。それにしてもグリーンフラッシュねえ、結構根気がいるよ 」
おばあは新しく切ったスイカを神山くんへ渡した。
軽くお辞儀をしていただきますと小さく言うと
男らしく豪快にスイカにかぶりついた。
「 おばあは見たことある？ 」
「 若い頃、お前たちくらいの年齢かな、亡くなったおじいちゃんと一緒に見た記憶があるよ 」
「 おじいと？知らなかった 」
「 誰にも話してないよ。まだ結婚前だったかな 」
「 ってことは伝説はほんまやったんや 」
口の周りをスイカの水分でたくさんにした神山くんはハッとしたように言った。
「 どういうこと？ 」
「 一緒に見た二人は結ばれるんやって。嘘かと思っとったけどほんまやったんや 」
「 二人は一緒に見るのかい？ 」
おばあの言葉に、出会ったばかりの私たちは何も言えず黙ってしまった。
私も彼のことを何も知らないし、彼も私のことを何も知らない。
「 あっ、おばあちゃん、俺グリーンフラッシュ見れるまでここにいてもいいかな？ 」
シーンとなった空気を変えるように話を瞬時に切り替えた神山くん。
「 大丈夫だよ。賑やかになって嬉しい 」
「 ありがとうございます！ 」
その後も出されたスイカを全部食べて縁側に横になった彼は、一言幸せと口にした。
余程田舎の生活を求めていたんだろう。
私は都会に行ったことがないからテレビの中の都会しか分からない。
ここより何倍楽しいのか見当もつかない。
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ひよこ(プロフ) - むーむーさん» コメントありがとうございます。ドラマ化だなんて私にはもったいないお言葉です！そう言って頂けるとこれからも頑張ろうと思えます。作品を読んで頂きありがとうございました。 (2018年8月29日 21時) (
レス) id: 1c4112a45d (このIDを非表示/違反報告)
むーむー - 素敵な作品ですね！とても面白かったし、ドラマ化してほしいなって思いました(*^_^*) (2018年8月29日 21時) (レス) id: 12552c9479 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこ | 作成日時：2018年7月28日 18時
