神社 ページ11
.
やってきたのは個人的に久しぶりに訪れる神社。
二十段程階段を上がった先にある古い神社は
私がまだ幼い頃に両親と境内のお祭りでよく来た場所だった。
それが今となっては若者が都会へと移り住み、高齢者が増えたことにより
夏の風物詩だったお祭りは自然と無くなってしまった。
階段を一段一段丁寧に登り境内へ辿り着くと
くるりと今来た階段の方を向いて大きく息を吸う神山くん。
ここからだと家も海も村も遠くの街も一望できる。
気が付かなかったけど花火が一番綺麗に見える場所はこの神社なのかもしれない。
「 早よ教えてくれたらよかったのに 」
「 何となくさっき思い出したから。お祭り 」
「 俺の田舎にもお祭りあったなあ、りんご飴大好きやった 」
「 私もりんご飴大好き！綿飴も唐揚げも、お祭りならではの雰囲気が味わえてすごく好きだった 」
階段の一番上に座って懐かしい賑わいを脳裏に浮かべる。
提灯の灯りと屋台の煌々とした眩しい豆電球。
金魚すくいをする子供と射的をする学生たち。
嫌なことも悲しみも忘れてみんな笑顔だったあの頃。
「 お祭りが無くなってしまったんは寂しいな 」
「 戻れるならあの日以前に戻りたい 」
「 でも悲しくなるだけやで。Aは生きてる今を大切にしたいと思わん？ 」
綺麗な黒髪、いや、よく見たら茶髪のような髪色をなびかせて問うてくる。
縁側で座って話す時よりもうんと近くて
蝉の声よりもうるさい心臓の音が聞こえないか心配だった。
私を見る目が何故か悲しかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひよこ(プロフ) - むーむーさん» コメントありがとうございます。ドラマ化だなんて私にはもったいないお言葉です！そう言って頂けるとこれからも頑張ろうと思えます。作品を読んで頂きありがとうございました。 (2018年8月29日 21時) (
レス) id: 1c4112a45d (このIDを非表示/違反報告)
むーむー - 素敵な作品ですね！とても面白かったし、ドラマ化してほしいなって思いました(*^_^*) (2018年8月29日 21時) (レス) id: 12552c9479 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひよこ | 作成日時：2018年7月28日 18時
