44.目的 ページ45
A｢これ、外してよ…！｣
竜｢ダメだよ。今この学校は幽霊だらけで危ないんだから｣
A｢じゃあ家に帰して！｣
竜｢…それは、できないなぁ｣
竜くんは困ったように笑った。
困ってるのは私の方なのに…
A｢なんで…なんでこんなことするの…？
竜くん、貴方は何をしたいの？！｣
竜｢……分からない？｣
竜くんはいきなり真顔になって聞いてきた。
A｢分かるわけないじゃん…！｣
竜｢じゃあ、、教えてあげる
僕がしたいこと。それはただ1つ｣
ー乃木修一を殺すことだよー
私の耳には、確かにそう聞こえた。
A｢…は…？｣
竜｢乃木修一を殺して君を僕のモノにする。それが僕の目的だよ｣
意味が、分からない。
乃木を殺す？乃木…殺す…乃木…死ぬ…？
ドクッと心臓が跳ねる。
私の感情は黒いモヤにかかった。
竜｢…A？｣
A｢…ろ……めろ……
やめろ。乃木に手を出すな。殺す。
殺す…殺すッ！！｣
バキッと手錠が割れた音がした。
私の視界には幽霊たちがざわざわと浮ついている。
竜｢……は…あは…あははっ…あははははっ♡
その顔だよ…！！僕は初めて会った時からその表情が大好きなんだ！！！僕の前では猫を被らなくていいんだよ？
きっと君もすぐ思い出す！｣
竜くんは手を広げてそう言った。
乃木｢A…？｣
竜｢来たね｣
扉から乃木が顔を覗かせている。
A｢乃木！！逃げて！！！｣
私のその声が聞こえたかは分からない。
なぜなら、それと同時に乃木は吹っ飛んでしまったからだ。
A｢乃木！！｣
竜｢神力なんて僕には効かないんだよ｣
なんで…乃木の神力のこと…
ユイ｢乃木さん！！｣
ロッティ｢ユイ！下がれ！！｣
竜｢部外者が2人もいるね？まあいいや
今から真実を教えてあげる｣
乃木｢げほっ…真実…？｣
竜｢まず僕の正体は"獄卒"だ｣
そう乃木たちのいる方を向いて言う竜くんに、私は目を見開かせた。
頭の中で何かがフラッシュバックしている。
思い出せない。これは、なに…？
竜｢そして、今から僕は乃木修一を殺す｣
ロッティ｢！？｣
ユイ｢なんで乃木さんを…？！｣
竜｢分かるだろ？
Aを完全に僕のモノにするためだよ｣
乃木｢……そういう事ね。つまりこれはAをかけた戦いってことだな？｣
竜｢そうだね。その間…Aには僕のこと思い出してもらわないと｣
竜くんは私の左手薬指を私に見せてきた。
薬指には、覚えのない歯型がついていた。
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作者名：霊来 | 作成日時：2023年7月27日 4時
