37.同棲 ページ38
ここには私と乃木しか居ないはず。
じゃあ…今後ろにいるのって…
乃木｢…A｣
A｢ひゃい？！｣
耳元で名前を呼ばれ変な返事をしてしまった。
お酒が回ってるせいか乃木の息が荒い気がする。
乃木｢…ん｣
乃木はそのまま私の肩に顔を埋めてきた。
するとぐりぐりと顔を動かしてから、はぁーとため息をついた。
A｢の、乃木…？｣
乃木｢…眠い、｣
乃木はそのまま私から離れてまたソファへと移動した。
いや、なんだったの、今の。
ドキドキしなかったのかって聞かれたら、そりゃまあしたんだけど…
…ここにいるのが他に人でもやったのかなぁ…。
私は乃木の寝顔を眺めながらそう思った。
A｢…寝てるし、バレないよね｣
私は恐る恐る乃木の頬へと手を伸ばした。
親指と人差し指で掴んでみると、ぷにぷにしていて柔らかかった。お肌もすべすべだし、乃木って何かと女子力高いのかな…？
数分むにゅむにゅしていても起きない乃木は相当お酒が回ってるんだと思う。
A｢…ふふっ、かわいい｣
私もそろそろ寝ないと…。
名残惜しさを感じつつ、私は手を止めて乃木に布団を被せてから自室へと戻った。
乃木｢(な、なにあれ〜〜？？お陰様で酔い覚めちゃったんだけど〜…？？)｣
ーーー
朝7:00
枕元にある時計が鳴り響いている。
A｢…今日から学校か〜〜…｣
時計を止めて、私はそう吐き捨てた。
あと5分だけ…
乃木｢A〜起きて♡｣
いつから居たのか、乃木がそう言ってきた。
私は渋々起き上がって、眠たい目を擦りながらベッドから出る。
A｢んーっ、はぁ…乃木｣
乃木｢ん？｣
A｢着替えるから、｣
乃木｢はーい、朝飯用意してっから♡｣
まるで新婚の嫁みたいだな…と思ったのは内緒。
というか、私自身乃木が勝手に部屋入ってきてることに対して驚かなくなってきた気がする。
…一つ屋根の下で乃木と一緒に過ごしたんだ。
いややましいこと別にないし？うん、ないない、早くご飯食べよ…
私は制服に着替え通学鞄を持ってリビングへと向かった。
A｢わぁ…！｣
食卓には美味しそうな紅茶とパンが並べられていた。
乃木｢どお？凄いっしょ｣
自信満々な顔で乃木が鼻を高くしている。
これはもうもはやお嫁さんなのでは…？
A｢ん！美味しい！｣
私がそう褒めると、乃木は｢ンフフ♡｣とご機嫌な調子で笑った。
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作者名：霊来 | 作成日時：2023年7月27日 4時
