26.ごめんね ページ27
A｢ちょっと早く着いちゃったね｣
乃木｢まぁ待ってたら来るっしょ｣
俺らは疲れた足を休めるため、ベンチに座って2人のことを待った。
外はすっかり夕焼け空で、横に座っているAがいつもより増して綺麗に見えた。
だからなのか、
A｢…ん、乃木…？｣
俺は気付けば左手をAの頬に添えていた。
言われるがまま俺の方を向いているAとばっちり目が合う。
なんか、これ、いい雰囲気なんじゃ……
A｢…？…ど、どしたの……｣
乃木｢A｣
A｢うん…？｣
恥ずかしいのか、夕焼けのせいなのか、Aの顔は赤くなっていた。
乃木｢…今日の服装、すっげー可愛い。俺とお揃いなのも、嬉しい。
俺さ、……Aのこと…｣
ごくりと、息を飲む。
乃木｢Aのこと……好き、なんだけど、｣
言えた。
やっと、言えた。
あとは、Aの返事しだ…
乃木｢……A…？｣
Aの目は、虚ろになっていた。
まるで遠くを見つめるような。
そして…
ぽす、と音を立てて俺にもたれてきた。
いや、違う。
これ、
乃木｢A？！！A！！｣
意識、ない。
ーーー
疲れたなぁ、と足を伸ばしている時だった。
いきなり右頬に乃木の手が置かれたと思ったら、そのまま乃木のいる方向に顔が向けられた。
A｢…ん、乃木…？｣
名前を呼んでみるが、乃木はずっと私の目を見つめたままだった。
A｢…？…ど、どしたの……｣
乃木｢A｣
A｢うん…？｣
夕焼けだからなのか、優しい声で私の名前を呼ぶ乃木にドキッとしてしまう。
乃木｢…今日の服装、※※※※※※※。俺と※※※なのも、※※い。｣
……え？？なに、？聞こえない…。
乃木｢俺さ、……※※※※※※こと…｣
乃木が、何を言っているのか分からない。
ずっと、私の周りでノイズが走っている。
あれ、なんだが、目の前がぼやけてきた。
乃木｢※※※※のこ※……※※、なん※け※、｣
ごめん。ごめんね、乃木。
なんか、私、貴方の言葉が聞き取れない。
頭が、ぼーっと…
ーーー
ユイ｢お待たせー！どうだっ…Aちゃん…？｣
乃木｢ユイちゃん！！なんか、Aがいきなり倒れて…俺、俺どうしたら…！｣
ロッティ｢乃木、一旦落ち着け。何があった？｣
ユイ｢揺らしちゃダメだよ。ちょっとAちゃんこっちに寄せて…！｣
ごめん、ごめん、気付けなくて、何も出来なくて…
お願い、聞いてなくてもいいから。
無事でいて……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霊来 | 作成日時：2023年7月27日 4時
