20.大丈夫 ページ21
ちゅんちゅん、と小鳥が鳴いている。
太陽の光が差し込んでいる部屋で、私は不安に駆られていた。
ーーー
ユイ｢あ、Aちゃんおは……｣
私の顔を見て、ユイちゃんは言葉を止めた。
そんな酷い顔してるかな、私。
ユイ｢…眠れなかった…？｣
ユイちゃんの言葉に私は首を横に振る。
A｢ちょっと嫌な夢見ちゃって…｣
乃木｢どんなの〜？｣
A｢わっ？！｣
いきなり背後から現れた乃木にびっくりしていると、そんな驚く？と笑われてしまった。
乃木｢てかめっちゃ寝癖ついてるじゃん｣
A｢っ！｣
私は思わず後ずさりしてしまった。
その行動にユイちゃんは首を傾げ、乃木だけがやっぱりと言いたげな表情をしていた。
乃木｢Aの俺に触られたくないは=神力使わせたくないだもんな？｣
私がなんとも言えない顔をしていると、家の玄関扉が開いた音がした。
ロッティ｢ただい……3人とも、どうしたんだ…？｣
ユイ｢ロッティ……｣
A｢……話さないと、だよね｣
私は3人に夢の中の話をした。
私を賽の河原に戻そうとしてる奴がいること。
賽の河原では身動きが取れないこと。
獄卒が少しずつ近付いてきていること。
順を追って全てを話した。
ロッティ｢なるほど。つまり、捕まったら最後って事か…｣
ユイ｢一生寝ない…って訳にはいかないもんね｣
A｢…どうするのが正解なんだろ｣
乃木｢…簡単じゃね？｣
ロッティ｢…は？｣
ユイ｢乃木さん何か策があるの？｣
みんなが乃木に注目すると、乃木は鼻を高くして頷いた。
乃木｢まぁ今夜のお楽しみってことで！
Aは俺を信じて寝ればいいだけだから♡｣
きっと、他の人に言われたら信用出来なかったと思う。
けど、乃木になら任せられる。
A｢…うん。頼りにしてるよ、乃木｣
乃木｢お、お〜！任せとけ！｣
その後、乃木は朝ご飯を食べてすぐ出かけてしまった。
もちろん今日寝るのが怖くないわけじゃない。
でも、乃木が大丈夫って言ってたんだ。
きっと大丈夫。私は乃木を信じるだけ。
そして、夜がやってきた。
変な夢を見始めて3日目。今日、3回目の夢を見ることは無い…はず。
私は恐る恐る、眠りについた。
ーーー
土曜日まで、残り1日
ーーー
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作者名：霊来 | 作成日時：2023年7月27日 4時
