酒呑童子:愛おしい彼女 ページ36
俺は今、愛する女の前にいる
何度も見てきた寝顔
昔は可愛らしかったのに、今は大人になって美しくなっている
Aは今頃、洞潔達と笑い合っているだろうか
酒呑童子「…Aは死ぬ間際まで、俺を父親だと思っていたんだな」
Aの頭を撫でる
酒呑童子「…あれから何十年経ったのだろうな」
Aの親はいない
村で火事が起こって死んでしまったから
俺は朱夏様に命令され、生存者を救出しに行った
A『父さん！母さん！嫌だああ！！』
村外れで泣き叫ぶ少女
酒呑童子『何をしている！今すぐここから離れるぞ！』
A『嫌だ！ここにいる！』
酒呑童子『チッ…！』
俺は少女を抱き上げ、朱夏様の城に向かった
酒呑童子『他に生存者はいないのか！？』
A『この村は小さくて火が回るのが早いから…多分私以外いない…！』
酒呑童子『そうか…』
酒呑童子『朱夏様、連れてきました』
朱夏『一人だけか？』
酒呑童子『はい』
朱夏『…うむ、分かった。ご苦労』
酒呑童子『はっ！』
A『…』
朱夏『其方、名は？』
A『…A』
朱夏『Aか…A、其方はこれからここで過ごすのだ』
A『…？』
朱夏『ここで修行を重ね、私の父…妖魔王を守ってもらう』
A『…分かった』
朱夏『酒呑童子、世話を頼めるか？』
酒呑童子『は、はい！』
朱夏『すまないな』
A『…よろしくお願いします』
ぺこりと頭を下げるAの頭を、俺はくしゃっと撫でた
A『わっ…』
酒呑童子『…徹底的に鍛え上げてやる』
それから数年後、Aは俺より強くなっていた
A『…勝負あったな』
酒呑童子『くっ…！』
A『大丈夫か？』
そう言って俺に手を差し伸べる
酒呑童子『…ああ』
その手を握ると、初めて会った時より大きくなったなと感じた
A『今日は終わりにしよう。あとは仕事だ』
酒呑童子『そうだな。これ以上体力を使えば後が持たん』
A『…強くなれば、きっと朱夏様は喜んでくださる』
酒呑童子『Aはもう強いだろう』
A『いや、まだまだだ』
いつかは俺など必要なくなるのだろうか
それが怖かった
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日依(プロフ) - はじめまして、日依と申します!アンデルさんに質問ですが、短編集を探したのですけど見つからないので消しちゃったのですか?もし人違いでしたらすいません。 (2023年1月21日 8時) (
レス) @page35 id: 9925c69d4f (このIDを非表示/違反報告)
アンデル - 地炎 美羅さん» うわ！ほぼ当たってる！ (2019年4月6日 16時) (レス) id: 8be82b0ba7 (このIDを非表示/違反報告)
地炎 美羅(プロフ) - アンデルさん» 夢主が思い出して妖怪になるのは当たってたけどまさか100年後を書くとは？！ (2019年4月6日 15時) (レス) id: 58dbd0a658 (このIDを非表示/違反報告)
アンデル - 地炎 美羅さん» ええ！？分かっちゃったんですか！？ (2019年4月6日 14時) (レス) id: 8be82b0ba7 (このIDを非表示/違反報告)
地炎 美羅(プロフ) - アンデルさん» 何となく分かりました…あっているのか不安ですが… (2019年4月6日 14時) (レス) id: 58dbd0a658 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アンデル | 作成日時：2019年3月23日 22時
