狐の嫁入り【文スト】 (ページ17)

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素直な体ページ17

「上手くいくかいかないかは君等の努力次第だよ」

そう言い放ちニィと口角を上げた首領
口は笑っているが目は人を殺せるくらい冷たく光っている

“絶対成功させろ、失敗した時は分かっているね”

鋭利なナイフを心の臓に向けられそう言われているかのような圧力に僕は少したじろいだ

分かってる…森鴎外はこういう人だ
頭では分かっているけれど体はとても素直だ

冷や汗が止まらない
喉がカラカラだ水が欲しい
嗚呼…この人には逆らっちゃだめだ

今になって後悔した

何故、あの時人虎を捕まえなかった
やつがれ君より此方の方がよほど恐ろしい
一時的だけど楽しい夢？
それを見ていたのは僕だ

嗚呼…だんだんムカついてきた
そんな事を思っていると体は自然と楽になってきた

「“僕は”大丈夫です♪」

勝手に口から言葉が溢れ出た

うわーやっちゃったなぁ
僕がそう思い後悔していると
首領は僕の言葉が意外だったらしく目を見開いていた

「君が大丈夫なのは分かった…人虎の件、よろしく頼むよ」

そう言うと椅子から立ち上がり奥の部屋へと歩み始める首領恐らくエリス嬢の所に向かうのだろう

そんな首領に一礼し、部屋をでる
重々しい扉を閉めた後にドッと襲ってくる倦怠感に下半身の力が抜けそうになりながらも自室へと一歩を踏み出す

ふと窓の外を見るとネオンの光が空の星を隠し、俺達が星だと言わんばかりに爛々と輝いている

そんな呑気な街を見下ろしながら明日起こるであろう悲劇のシナリオを頭の中で組み立てていく

まず、最優先すべきは人虎だよね～
それから、探偵社の何人かは殺りたいな～
いっその事潰しちゃう？

嗚呼…明日の事を考えると楽しくなってきちゃった♪
首領の所で感じたイライラと今感じている悦楽とが胸の中で混じり合い僕を不思議な気分にさせた

あー殺りたいなぁ
殺りたい殺りたい……殺っちゃおうか♪
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ｷｬｱｱｱｯ!!!!!!!

賑やかな街からその雰囲気を壊すような音が奏でられた
3人もの魂が天へと還った
犯人は捕まえたれたが真犯人の少年は捕まっていない
今夜も路地裏で嘲笑うだけだ

嫌な事があっても、残酷な事件があっても、

時間は刻一刻と流れる事をやめない

止まることを許さない

日は登り、沈むを繰り返す

気がつけば今日は昨日に、明日は今日になっている

人虎捕獲作戦まであとｰｰｰ
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更新ありがとう(笑)

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