狐の嫁入り【文スト】 (ページ16)

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真面目な話ページ16

薄暗いポートマフィア特有の廊下を歩く。コツコツと音が嫌に響く静けさの中誰もいないのににこにこと特に楽しいわけでもないのに笑っている僕は不気味だろうか、いやきっと不気味だ。だってすれ違った黒服の子に小さな悲鳴をあげられたからね、べっべつに、悲しいってわけでもないから？！

まぁそんなおふざけは置いといてだ。今からはちょっと真面目な話…かな、豪勢な扉の前に立ちゆっくりと笑みを消す。頭のいいあの人のことだ。愛想よく笑ったところで僕の本質はバレてしまう。なら…隠す必要もないと1番最初に会った時に酷く痛感している。

コンコン、と扉を叩く。すると優しげなけど何処か冷たい声色で「誰だい？」と声がかかるのでそこで「孤雨です、」と短く返事をし入室の許可を貰ってから静かに部屋に入る。

ちらりと盗み見たあの人の顔は酷く穏やかでそれでも僕を見つめているのに見ていない、何処までも僕を利用価値のある駒としか見ない酷い人だと思う。別に上司と部下のやさしいかんけいなんて望んでもいないのだけど、

「よく来たね、孤雨くん、君には明日行う予定の人虎の捕獲作戦についての話がある」

そう口を開けばこの人は僕にもう拒否権なんて与えてくれない。やれと言われればやる、聞けと言われれば聞く。それ程までに人を従わす力を持つのが森鴎外だ。

「先ず、人虎は武装探偵社なるものに入っていてね、明日樋口くんが依頼と称した潜入を行う予定だ」

樋口、嗚呼やつがれくんの近くにいる美人な子か、あの子もマフィアなんてつまらない道を選んだものだと思う。

「そこから樋口くんが場所へ誘導、その場所に芥川くんと君は向かい捕獲、という作戦なのだが…異論はない？」

その異論は絶対に認めないくせに聞いてくるタチの悪い大人は嫌に綺麗な笑みを浮かべて優しく問う。僕が拒否したって許されるはずがないのにね、

「ええ、僕は別に異論は…ただ、今回の人虎捕獲作戦はうまくいくのでしょうか？」

あの人虎は良い仲間を手に入れた。きっと僕たちの脅威になるはずだ。血が流れる、死人も出るかもしれない、きっと大きなことが始まる。だって、人虎というイレギュラーが入って来てしまったんだから、そう思うと楽しくて思わず湿った笑い声が出た。

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更新サボってすんませんでしたぁぁぁあ！！！
次からは頑張りまふ…

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