Episode99 ページ49
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Ren side
｢おい！廉！｣
岸くんが走って追いかけてきた。
｢待ってって。誤解してる。落ち着け。｣
落ち着けるわけないやん。誤解てなんなん？
あの状況でどう判断しろと？
｢いやー、びっくりしたわ。まさかって思った。｣
｢だから違う。廉は勘違いしてる。｣
｢勘違い？(笑)どう見ても一緒におったやん。｣
｢マジでたまたま会ったんだ。信じて俺を。｣
｢…これだけ聞くわ。好きなん？Aのこと。｣
岸くんが真剣な顔で黙ってる。
さっきの岸くんの顔みたらわかったけどな。
｢岸くん。｣
｢…そうだよ。好きだよ。今も昔も。｣
ほらな。
やっぱ俺と岸くんて被んねんな。
好みのタイプが似てんねんほんまに。
｢いつから？｣
｢…ずっと昔から。多分廉と同じくらい。｣
｢うそやろ…。｣
｢ほんとだよ。客席に居た頃から。｣
言葉が出んかった。
俺、なんて最低なことしてたんやろ。
岸くんの気持ちにも気付かずにベラベラ相談して。
｢でも廉から相談されて諦めた。廉なら絶対Aちゃんのこと、幸せにしてくれるって思ってたから。これは、俺が言うべきじゃないけど、それにAちゃん、俺に対しての笑顔と廉に対しての笑顔が全然違うんだよ。廉のことがきっと…、って思ってたから俺は身を引いた。俺の好きな2人が幸せになってくれると思ったから。｣
｢な、なんで…。｣
｢今日は本当にたまたまだよ。信じないならもう信じなくてもいい。でもこれはだけは言わせて。｣
いつになく真剣な表情の岸くん。
｢これ以上Aちゃんを泣かせるな。｣
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作者名：くらげちゃん | 作成日時：2021年9月26日 8時
