Episode94 ページ44
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紫音に話すとまた涙が出てきた。
紫音は慣れた手つきで私にティッシュを差し出す。
「…まだ好きなんでしょ。」
やっぱり紫音には分かるんだ。
誤解されて傷付けられてもまだ好きって。
「好きでいてももう意味ないって分かってるのに、傷付けられて何回も泣いて苦しいのに、忘れられなくて、忘れようとしてもずっと消えなくて、好きで好きで苦しい。」
「好きでいても意味ないって言っても、好きなのに急に嫌いになるのは無理でしょ?忘れるなんて無理だよ。」
「…でもじゃあどうしたらいいんだろ…」
「んー、難しい、難しいけど、もう少し時間が経てば、ちゃんともう1回話して誤解を解かないと。時間が経たないと今の2人はお互い絶対落ち着いてないし。」
やけに落ち着いている紫音に少し驚いた。
「とりあえず明日は1人でゆっくりしな。」
「んー、そうする。」
「心も身体も疲れてるんだから休ませないと。」
そういえば思うように寝れてないな。
顔も疲れてるし、くまも酷い。
「廉のこと、それでも許せるって思えたら本物。」
それだけ言い残して紫音は帰って行った。
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作者名:くらげちゃん | 作成日時:2021年9月26日 8時