Episode53 ページ3
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「こちら予約されてたケーキになります。ろうそくは何本お付けしますか??」
「えっと、この数字の2と5でお願いします!」
「かしこまりました!」
紫音の誕生日ケーキを受け取りに来た。
部屋はもうバルーンで飾り付けたし、ご飯も紫音の大好きなかぼちゃグラタンを用意してきた。
秋だし季節的にもかぼちゃ美味しいといいなあ。
「お待たせ致しました!!こちらご予約頂いた通り、プレートには“Happy Birthday SHION”とお描きしております。」
「わあ!可愛い!ありがとうございます!!」
「素敵なお時間をお過ごしください。ありがとうございました。お気を付けてお持ち帰りください。」
ケーキって繊細だから緊張する…!
もうすぐ紫音が家に来るし急がなきゃ。
マンションのエントランスまで無事に着いた。
もうすぐ紫音も来るし、喜んでくれますように…。
…わっ!誰かとぶつかる!危ない!
「す、すみません!あっ…。」
…やってしまった。
気付いた時にはケーキの箱は床に落ちていた。
しかも…上下逆さまに。(笑)
「すみません、怪我してないですか?」
「…大丈夫です、、すみません。(泣)」
もう時間が無いしどうしよう。
紫音の大切なケーキだったのにやっちゃった…。
半泣きでエレベーターに乗って扉が開いた。
「おう!A!えっ、どした?」
驚いた顔をした廉が居た。
廉の顔を見てると我慢してた涙がこぼれた。
「えええ?!A泣くなって。どしたあ?」
「ぐすっ。紫音のねっ。さっきエントランスで人にぶつかってっ。誕生日ケーキ落としちゃった…。」
「紫音ちゃん今日誕生日なん?」
「そう…。もうすぐ家に来て誕生日パーティするのに私やっちゃった…。ごめん、廉出かけるところだよね。心配してくれてありがとうね。足止めさせちゃってごめん。」
紫音にちゃんと謝ろう…。
誕生日当日をせっかく任してくれたのに…。
「わざとちゃうねんからさ、あんま自分を責めんのはやめとき?あと泣きすぎたら目腫れるで?」
「うぅぅ…廉の顔みたら泣けてきちゃったんだもん。」
「ケーキ無くても、Aが他にも色々考えてくれてるんなら絶対紫音ちゃん喜んでくれるって。大丈夫。」
廉がいつもより優しい声で慰めてくれる。
だからなのか、やっと落ち着いてきた。
「てかもう来るんちゃう?はよ家戻り!」
「あっ、ほんとだ。」
「ん。じゃあな!」
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作者名:くらげちゃん | 作成日時:2021年9月26日 8時