“ My Cinderella girl 2 ” (ページ12)

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Episode62 ページ12

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Kishi side

嬉しいはずなのに素直に喜べないな。
Aちゃんが隣にいて一緒に料理してるのに。

“Aが作った料理はマジで美味い！！”

前に廉が嬉しそうに言ってたな。
確かにAちゃん手際もいいし上手。
料理ができる女性っていいよね。

野菜を切ってる真剣な横顔。
目線が野菜に向いてることをいい事に、俺はAちゃんの横顔を直視してしまう。

透き通った目に長いまつ毛。高くて綺麗な鼻。
きゅっと口角の挙がった形のいい唇。
…ほんとに綺麗だね。

俺の目線に気づいたのか顔を上げるAちゃん。
俺の目を見てニコって子供みたいに笑うんだ。

こんなの好きになる以外ないじゃん…。
笑顔を見るだけで一気に幸せな気分になれる。
守りたいって思っちゃうもん。

ふとAちゃんの顔が曇った。
目線の先は楽しそうに話す廉と紫音ちゃん。

…廉には負けるよ。
Aちゃんの悲しそうな顔。
俺はAちゃんの笑顔が大好きなのに。

2人とも両思いなのになんで素直にならないの？
今すぐ目の前の幸せに気付きなよ。

俺の気持ちがAちゃんに届くことは無い。
それに伝えるつもりもないんだ。
だってAちゃんを困らせたくないから。

廉のこともAちゃんのことも好きだから。
だから俺は笑顔でAちゃんに言ったんだ。
ちゃんと本心でね。

｢…でも応援してるよ。｣

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