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No side


「じゃあ、ウチらも帰ろっか?」

「そだね、明日学校だし」

「え、もう帰っちゃうの?」


事情を知って帰ろうとした蘭と園子を止めたのはコナンだった

彼は今回、新作として発表される歌「ASACA」が17年前に組織によって殺された資産家の息子、羽田浩司が残したダイイングメッセージと同じであることから、波土が何か知っていると思い着いてきたのだ

まだ話すどころか会ってすらいないのに帰ってしまったら、ここまでやってきた意味がなくなってしまう

それは沖矢も同じで、コナン同様帰ろうとする2人を引き止める


「でも最後のリハーサルのライブなら見た方がいいのでは?」

「昴さんには悪いですけど…」

「ウチらそんなにファンじゃないから…」

「え?では、ここに来ようと言い出したのは…」


「僕ですよ」


その聞きなれた声に一同が振り返れば、ちょうど入口から入ってきた安室、結広、紬の3人がいた

コナンが3人のことを唖然と見つめていると、目が合った紬がウィンクを返す


「あれ、結広さんも来たんですか?」

「あぁ、2人から聞いて興味出てきたから。梓さんからも代わりに言って欲しいと言われてしまったし」

「私も元々誘われていたから、着いてきちゃった!」

「…あなたも来ていたんですね、沖矢昴さん」


先日はどうも…と挨拶を交わす安室達を見て、蘭はコナンの手を取った


「じゃあ、私たちは帰ろっか」

「あ、ちょっ…」

「あとは大ファン4人でごゆっくり!」

「ねぇ、結広さん!」


蘭の手を握ったまま、コナンは振り返ると結広の名前を呼んだ

その声に話していた4人はコナンの方を向き、呼ばれた本人は、ん?と目線を合わせるように屈む


「波土さんに興味持ったのって、やっぱり歌が上手なとこだよね?結広さん、歌すっごく上手だし!」

「え〜バレちゃった?実はそうなんだよね」

「へぇ、結広さん歌も上手なんですか?」

「あれ、でも前に苦手だって…」

「偶にカラオケで歌うくらいだから全然上手くないよ…どちらかと言うと聞く方が好きかな」


結広はにこりとコナンとほほ笑みかけた

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作者名:夜矢七星 | 作成日時:2022年7月28日 9時

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