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上を見上げると、電柱の上に立っているゾムがいた。
『え、えっ？なにしてるの、危ないよ！？』
「大丈夫やって、よっ、と」
よっと、なんて軽々しい声だが電柱から飛び降りるのだ。
身体が反射的に動き、ゾムの下敷きになろうとする。せめてものクッションだ。
「ちょ、危ないて！！」
流石のゾムも驚いたのか咄嗟に受身を取ろうとして空中で体をよじる。
....が、間に合わず。
『いてて...ご、ごめん、』
「いや、俺こそ、なんか...すまんかった。」
ぶつかり、所謂床ドン、というのだろうか。(下はコンクリートだが)をされるような形になってしまった。
そしてとにかく顔の距離が近い。とても近い。すごく近い。
通りすがりのおばちゃんが、お熱いね〜といいながら通り過ぎたので宙をさ迷いかけていた意識が戻ってきて、どっと顔に熱が集まったのがわかる。
気まずくて無言になり、2人並んで歩く。
永遠とも思えた時間のあと、不意にゾムが口を開いた。
「あんな、驚かせたかっただけなん...よ。
どうやったらビックリしてくれるかな、って思って....」
本当にすまんかった、と少し涙目で私を見つめたゾム。いつもは体内にしまっている耳としっぽが出ていて、それがしょぼんと垂れている。
『私こそ..余計なことして、ごめん』
「じゃあ今回のはチャラってことでええの？」
『それとこれとは違う....』
「ならなにしたら許してくれんねや！！」
むっ、と口を尖らせるゾムに、
『あはは、冗談だよ、チャラね、チャラ！！』
と笑って言うと、そういうとこやぞ、と言われた。
私がこんな性格になったのはあの人たちと一緒にいたからですぅ、と反論しながら辿った家路は、さっきまでの何倍も短く感じた。
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双雲銀(プロフ) - はくやさん» 二章完結までにここまで進めたかったからですね…なんでもっと計画的にやれなかったんでしょうかね…。はい、続編も是非お願い致します！ (2021年8月30日 22時) (
レス) id: 10dba7cb9a (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - 羽具さん» ありがとうございます…！ゆっくりにはなってしまいますが、第三章もどうかよろしくお願い致します！！ (2021年8月30日 22時) (レス) id: 10dba7cb9a (このIDを非表示/違反報告)
はくや - 結構急展開なってる！？続編楽しみにしてます！ (2021年8月27日 9時) (レス) id: b44a4212c3 (このIDを非表示/違反報告)
羽具(プロフ) - 楽しみすぎる…!!!更新楽しみにしています！頑張ってください！！！ (2021年8月25日 21時) (レス) id: a3fd2bf9c9 (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - 玉さん» 誤字失礼しました。見に余る光栄で、となっておりますが正しくは身に余る光栄で、です。ご迷惑をおかけしました。 (2021年8月18日 21時) (レス) id: 10dba7cb9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：双雲銀太 | 作成日時：2021年7月21日 16時
