.80 ページ30
『ただい.....ロボロ！』
「わ、A、元気そうでよかったわ。おかえり。」
テスト最終日、家に帰るとロボロがいた。
暫く会えていなかった寂しさで抱きつくと、少し躊躇したあと私の背中に手をましてくる。
『ロボロ〜、久しぶり！！何やってたの？』
「A、ロボロ、いちゃつくんはええけど部屋入ってからにするんやで。それと、Aは手洗ってくる！外は汚いからな。」
『兄さんもおかえり！！』
「ん、ただいま」
中から兄さんも出てきて、嬉しくて頬が自然と緩んでしまうのを感じた。
それと同時に、ロボロちょっと身長伸びたかな？と気づいてしまった。
うわぁ、細かい。わたしきもちわるーい。
『んふ、ロボロっ！』
「あは、あははー、なんやー？」
視線を逸らすロボロにどうしたの？と問いながら可愛くおねだりポーズ。
『ろぼろ、猫になって！』
「あああぁぁああぁやっぱそうっすよね姐さん」
「はは、お前ら毎回毎回その会話して、よう飽きへんなぁ」
『にーさんでもいいよ！』
「ほんま？ありがとなぁ、じゃ、お言葉に甘えて。」
兄さんはそう言って狼の姿になった。わしゃわしゃと乱雑に、痛くないよう気をつけて撫でたり、背中に顔を埋めてぐりぐり(これも痛くない程度)やったりする。
でもやっぱり私が今堪能したいのはちいさくてふわふわなロボロで。
物寂しげにロボロの方を向こうとすると、兄さんに耳をかぷりと甘噛みされた。
こんなことは初めてで、びりっ、と一瞬体内を駆け巡った甘い感覚に、肩が跳ね、変な声が出た。
「え、A！？大丈夫か！？」
『う.....ん、大丈夫、ちょっとだけ変なかんじがしただけだから。』
ごめんなさい、と言いたげに耳を伏せて悲しげな表情でこちらを見る狼姿の兄さん。
私こそごめんね、と呟いてぎゅう、と抱きしめ背中をさする。
『やっぱり、兄さんはあったかいなぁ』
「ガルッ！」
その間も首や指など色々なところをかぷかぷ、甘噛みしている兄さん。今になって初めて兄さんに噛みグセがあることを知った。
あーあ、これでロボロが猫の姿だったらなぁ、と恨みをほんの少し込めて視線を送るも、さっ、とそらされてしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 862人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
双雲銀(プロフ) - はくやさん» 二章完結までにここまで進めたかったからですね…なんでもっと計画的にやれなかったんでしょうかね…。はい、続編も是非お願い致します！ (2021年8月30日 22時) (
レス) id: 10dba7cb9a (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - 羽具さん» ありがとうございます…！ゆっくりにはなってしまいますが、第三章もどうかよろしくお願い致します！！ (2021年8月30日 22時) (レス) id: 10dba7cb9a (このIDを非表示/違反報告)
はくや - 結構急展開なってる！？続編楽しみにしてます！ (2021年8月27日 9時) (レス) id: b44a4212c3 (このIDを非表示/違反報告)
羽具(プロフ) - 楽しみすぎる…!!!更新楽しみにしています！頑張ってください！！！ (2021年8月25日 21時) (レス) id: a3fd2bf9c9 (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - 玉さん» 誤字失礼しました。見に余る光栄で、となっておりますが正しくは身に余る光栄で、です。ご迷惑をおかけしました。 (2021年8月18日 21時) (レス) id: 10dba7cb9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：双雲銀太 | 作成日時：2021年7月21日 16時
