.36 ページ36
結論から言おう。
私の読みは良い方向に外れた。
教室に入ると、みんながわーっと群がってきて、何を言われるのか、されるのかと冷や冷やしてたら。
「Aちゃん.......っ！もう大丈夫なの、無理してない？」
開口一番、親友の子にそう言われて、親友を疑っていた自分がばかみたいに思えてきた。
『うん、もう大丈夫、無理してないよ、』
そうやっていうのがやっとで、自分に呆れたのと友達の優しさが混ざりに混ざって、涙がこぼれそうになって。
「な、Aのこと待っとる子、ちゃんとおったやろ？」
頭の中で、トンちゃんがそう言っているシーンが簡単に想像できた。
そしてその日1日、何かあれば誰かがすぐに飛んできたり、執拗な程に話しかけられたり、とみんなに気を遣われることになった。
正直、女王さまになったみたいで気分は良かった。
帰り道、私と方向が同じ子と帰るところまではいいものの、必然的に最後は1人になる。
後ろから着いてくる足音に、あぁまたか、とため息を零す。でも、正体が分かっているだけ幾分も気が楽になった。
これは、敵。仲間の敵は敵理論でこれは私の敵だ。
トンちゃんには追いかけられたら直ぐ逃げろと言われたけど.........
何を思ったのか私は徐に地面に転がっていた大きめの石を鷲掴みにすると、
『ていやっ！！！』
後ろを着いてきている人に向かって思い切り投げた。生憎、ソフトボールも射的も得意な為、石はクリーンヒット。
撃退できた、？と思いっしゃ、と拳を握りこんだのも束の間、患部を抑えて蹲っていた男の人が顔を上げた。
それは.....
とてもとても怒りがみなぎった、殺意溢れる顔だった。
.............本能的に命の危機を感じた。
私などうやらとても余計なことをしてしまったらしい。今更気がついたところで遅いのだが。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 747人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らとるだお() - これが…アニマルセラピーってやつですか…心地いいですね〜(*´꒳`*) (2022年4月18日 2時) (
レス) @page32 id: f62a5d0896 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 双雲銀さん» いや、ホンマに。動物ってホンマに可愛ええ…。wrwrdも全員可愛ええし、良い作品に出会えてホンマに幸せやわ… (2021年7月24日 20時) (レス) id: 9a926607ca (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - ハルさん» 猫は(というか動物全般は)世界を救うと思ってます.....増してや推し×動物なんていいこと尽くしですよね....そんな気持ちを伝えたくてこの話描き始めたんですが、上手く伝わってるようで良かったです！ (2021年7月24日 19時) (レス) id: c910ec8157 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 双雲銀さん» いやぁ、ホンマに可愛ええんですわ…。猫やし…。 (2021年7月24日 19時) (レス) id: 9a926607ca (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - ハルさん» ありがとうございます.....きゃわいいなんて言って貰えて嬉しいです..... (2021年7月24日 18時) (レス) id: c910ec8157 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：双雲銀太 | 作成日時：2021年5月30日 20時
