.26 ページ26
自分の部屋に戻り、する事もないからパパがくれた本をぺらぺらと捲ってみる。
漢字が難しくて、読むのを断念した本。
そういえば、こんど読んでもらうって約束してたな、あ。
不意にそう思い出してしまって、気がついた時には遅く、ぽろぽろと涙が溢れていた。
『うそつき、よんでくれる、って、やくそく、したのに、っ。』
目元をごしごし、乱雑に擦りながら絞り出した文句。にゃー、と声がしてびく、と肩を揺らしながら顔を上げた。
『ぁ、えっ、と』
そこには紫のヘルメットを被ったショッピさん。もしかしなくても、今、見られてた？
「ナァー」
ショッピさんは心配しなくてもいよとでも伝えるよう、頬に伝う涙をぺろりと舐めた。
ざら、とした舌の感触が擽ったくて、ふふ、と笑い声を上げる。
ショッピさんの頭を撫でながら、『ありがとう、元気出た！！』と伝えると、途端に紫一色になる視界。
え、と一瞬困惑してからあぁ、ショッピさんかと納得する。.........納得..
『ふぇ！？』
突然な人型化、抱きしめられているという現状を理解出来ず口からは気の抜ける声が漏れた。
そんな私をお構い無しに、なにやらブツブツと呟いているショッピさん。よく耳を澄ませてみると.....
「ほんま可愛ええこれが本場のロリってやつなんやな作られたロリとは違ってひとつひとつの言動が生き生きしとるそれに舌っ足らずやし...体こんなにちっちゃいのなんなん？手も小さいしそれに暖かい。これが子供体温ってやつなんやなそうなんやなこのまま食べたい誰も見てないしええやろそうしよう....」
意味は分からないが、自信に迫った危機を察知して第六感が警鐘を鳴らす。
だが言われた通りショッピさんより遥かに小さい小さい私ではどれだけ強い力で押してもうんともすんとも言わすことが出来なくて。
怖くて、怖くてぎゅ、っと目を瞑れば思っていたのと違う言葉が降ってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 747人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らとるだお() - これが…アニマルセラピーってやつですか…心地いいですね〜(*´꒳`*) (2022年4月18日 2時) (
レス) @page32 id: f62a5d0896 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 双雲銀さん» いや、ホンマに。動物ってホンマに可愛ええ…。wrwrdも全員可愛ええし、良い作品に出会えてホンマに幸せやわ… (2021年7月24日 20時) (レス) id: 9a926607ca (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - ハルさん» 猫は(というか動物全般は)世界を救うと思ってます.....増してや推し×動物なんていいこと尽くしですよね....そんな気持ちを伝えたくてこの話描き始めたんですが、上手く伝わってるようで良かったです！ (2021年7月24日 19時) (レス) id: c910ec8157 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 双雲銀さん» いやぁ、ホンマに可愛ええんですわ…。猫やし…。 (2021年7月24日 19時) (レス) id: 9a926607ca (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - ハルさん» ありがとうございます.....きゃわいいなんて言って貰えて嬉しいです..... (2021年7月24日 18時) (レス) id: c910ec8157 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：双雲銀太 | 作成日時：2021年5月30日 20時
