好きになる。 (ページ35)

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忙しいのに気を遣わせたらいけないかな
そんな考えが頭をよぎり自分から始めたやりとりも、スタンプで終わらせた

少し前の私ならきっと、もっと会話を続けることに必死だったはず

『ちょっと、勝手だったかな…』

お風呂に入りながら、ふとこんな事を思った

"そもそも、私が慎太郎くんを気になり出したのはいつからだろう？"

京本先輩を好きになった瞬間は明白だった
ぶつかったあの時、運命だと思ったから

美由紀に言った言葉に嘘はないけど、本当に私は京本先輩に対して悔いがないのか
もしこの先慎太郎くんやほかの誰かと良い感じになれたとして、その人だけを見れるのか…

最低だ、私…
こういう時だけ少女漫画のヒロイン気取り

『あ〜、考えるのやめよ…』

お風呂から出て、髪を乾かしながら目を閉じると
美由紀との会話を思い出す

　「いま目の前に転がってる幸せを掴もう」

そうじゃん、いま目の前に転がってる幸せを掴むんだ

『あ〜ダメダメ！考えるのやめよって言ったのに…』

布団にダイブして、気づいたら
眠ってしまった

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