二振り目だから ページ4
菜ノ瀬side
二人目の僕がきて…あれから1週間たった。
でも、お互いに接触はせずにそれぞれ違う刀とつるんでいる
僕は主に短刀や脇差達と遊んでいるけれど…。
…Aくんは違うみたい
主に話してるのは太刀・打刀組だし、喋ってる内容も天気の話や出陣についてだ
同じ刀でも、性格ってこれだけ違うんだ…
僕はまだ新しいから、演練に行っても他の僕と会ったことはなかったため、色々新鮮だった
「…同時に…少し複雑だけど」
嫉妬というのか、Aくんが僕の仲が良いこと喋っているのを見ると、なんだか面白くない
まぁこればかりは仕方がないけど、僕とAくんを間違えられるのも嫌だからやめてほしかった
違う…それはAくんじゃなくて僕と話す内容なのに…
どうしてそんなにAくんに構うのか
そんな黒い感情に知らないふりをして、僕は再びみんなのもとに走り出した
ー
鳴狐side
最近よく話すようになった、二振り目の菜ノ瀬A。
歳が近いということもあって、割とすぐに打ち解けられた
一振り目は、明るくて短刀みたいに無邪気だったけど、このAくんはちょっと違うみたい
大人びていて、まるで菜ノ瀬くんとは別人みたいな喋り方をするし、笑い方さえ違うように思える
でも、どっちも何だか辛そうな顔をしていて…
「…心配」
何か、二人が仲良くできることはないだろうか？
二振り目、一振り目とはいえ中身はほぼ別人だし…
「わからないな…」
考えてもわからずに、その日はもやもやしたまま眠りについた
続く
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作者名：紗砂 | 作成日時：2018年3月10日 20時
