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ｶｲｺｸside
ｱｶﾂｷ「っカイコクさん！」
入出が、駆堂を背負って駆け込んできた。
っ、Aは…？
ｱｶﾂｷ「Aくんがっアンヤ君を背負って先に行けと…
っ頭が痛いそうで、カイコクさんを呼んで欲しいと…！」
ｶｲｺｸ「分かった。階段上ってすぐのとこかい！？」
ｱｶﾂｷ「はい…！」
A…頭いてぇってことは、まだ治ってなかったってのかい？
ｶｲｺｸ「っA！」
ｷﾞｭｯ
A「…ぅ…カイにぃ…？」
ｶｲｺｸ「大丈夫かぃ？」
良かった…意識は、あるみてぇだな…
ｶｲｺｸ「！？その腕、どうした？」
A「ちょっと…やられちゃって…ねえ、カイにぃ。
なんだろう…あの、ね…腕、やられたとき…
何か、思い出しかけた…今も、ね…
カイにぃに、ｷﾞｭｯてされると…思い出せそうで、
思い出せないみたいな…何か、わかる…？」
っ、これは…あの頃のことを、思い出そうとしてるってことかい？
…腕やられたときは、あの親に暴行を加えられているとき…
俺にｷﾞｭｯてされてるときは、トモヤにｷﾞｭｯてされてるとき、か？
ｶｲｺｸ「A、思い出したくねえときに無理矢理思い出すのは
やめたほうがいい。トモヤもお前さんが苦しいのは嫌だと思うぞ。」
A「…うん…ねえ、カイにぃ。もうちょっとだけ…
このままでもいい…？」
ｶｲｺｸ「…ああ。落ち着くまでついててやんよ。」
Aから、力が抜けた。こりゃ気ィ失ってるな。
Aが、思い出そうとするのを邪魔する気はねぇ。
けど、辛いことをわざわざ思い出させるってのは何か違う…
そう思うのは間違ってるか…？
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作者名：美術部 | 作成日時：2020年7月7日 21時
