梔子 伍

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李牧｢(あの軍は．．．あの軍の中心にいるのは．．．！王華さんだ！！あれは御神軍！！！)｣(ｸｯ

『．．．』

李牧｢(情報が無さすぎる！！作戦を練る余裕も、本軍を待つ余裕も．．．)
本軍を待つ猶予はありません！力業で突破し、王華を討つ！！｣

『．．．』

李牧｢左右、カイネと傅抵にも号令を！
後ろの紀彗軍にもすぐ来るよう伝令を！｣

趙軍｢ハ！｣

趙軍｢行くぞォ！！！｣


李牧軍が攻めてくる。


李牧｢(頼む、通用してくれ．．．！！)｣

蒼｢．．．｣

『"待雪草"展開！！迫り来る李牧軍を叩き潰せ！！！』

御神｢ウォオオオオ！！！｣


二軍がぶつかる。


『．．．珀琉、』

珀｢はい｣

『天元達に伝達。門が開いたら、人波を邪魔しないようにしながら、すぐに城へ入るようにと。』

珀｢御意。｣


馬上から、珀琉の姿が消える。

少しして、珀琉が戻ってくる。


珀｢伝達完了しました。｣

『ありがとう』

珀｢はい。｣


交戦が続く。


李牧｢(全く通用しない．．．！どうしたら．．．)｣


それから少しして、

鄴の城門が開く。


『．．．』


微かに上がる口角。


『鄴の民が出てくるぞ！各城門前に道を開けろ！！一般人は1人も殺すな！！』

御神｢ハ！｣


"花弁の陣"や、待機している部分の"待雪草"が開く。

飛び出していく人達。

天元達が城内へ入った気配。

消える趙軍の士気。


『よくやった！退け！！御神！！！』


御神の者達が退いて行くと同時に、李牧軍も退いていく。

しばらくして、李牧軍は難民らと共に鄴を離れた。


『．．．』


鄴の陥落である。


『(1番(･･)欲しいものは、ないだろう．．．いや、ないけれど．．．)』


秦軍が中へ入る。

もちろん、御神も。

それからすぐ、桓騎と共に呼ばれる。


『．．．』(ｶﾞﾁｬ

翦｢王華｣

『．．．お疲れ。』

翦｢あぁ、お前もな。助かった。｣

『ん。』


数日後、閼与に残っていた残りの秦軍も入り、食糧難はさらに辛い状況に。


『．．．』

翦｢．．．｣

桓｢．．．｣

『．．．秦からの食糧は、来れないよね。』

翦｢だろうな。｣

桓｢この近場にゃ李牧もまだ居るだろうしな。｣


城中に、腹を空かし倒れ込んでいる秦軍。


『．．．本当に、よく読んだよね。先見の明もなしに。』

桓｢なんの事だ？｣

翦｢．．．？｣

『斉国に頼むなんて。』

翦｢！！！気付いていたのか．．．｣

桓｢うっわ．．．｣

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