梔子 伍

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『お願い．．．お願い．．．生きて．．．』(ｶﾀｶﾀ


両手を絡ませ、額に当て、祈る。

時は夕暮れ。


『連れていかないで．．．連れていくのは．．．許さない．．．』

天｢A．．．？｣

『連れて行かれるのは．．．まだ．．．まだ許さないからな．．．』

天｢A！｣

『戻れ．．．戻ってこい．．．行くな．．．』

天｢おい！！！｣

『頼む．．．信．．．！！！』

天｢落ち着け！！｣


ガシッと、両肩を掴まれる。


『！！．．．天元．．．』

天｢良かった．．．気づいた．．．｣

『．．．近くの御神の子らに目を瞑らせ、手で覆い、光を遮断するかのように頭を下にしゃがませて。』

天｢えっ？｣

『今すぐ』

天｢お、おう！｣


天元が動く。


『(羌瘣が、入っていった．．．)』


少しして、


天｢さ、させたぞ！！｣

『ありがとう。天元も同じように。』

天｢お、おう．．．｣


羽織をきちんと羽織り、耳飾りを花札のようなものに付け直す。

そして矛を手に外へ。

外には、困惑しながらも指示通りの行動をとる御神の者達。

ドンッ

と矛を刺し立て、


『ふぅ．．．すぅ．．．』

『"神の呼吸･癒･天照"!!!』


両手を絡め、祈りを捧げる様な姿勢で、最大出力の天照を行う。

日輪刀なしで。


『(どうか、どうか届け．．．！！)』


一帯を、強すぎるほどの陽光が包み、

味方は回復、敵は強い光にあてられる。


桓｢王華、嬢．．．、？｣


敵の中には、失明する者も。


『(2人揃って、帰って来い．．．！！)』


光は、信達のいる場所へも届く。


賁｢っ、A．．．？｣

恬｢え？｣

飛信隊｢光が．．．｣

翦｢(この感覚．．．王華か．．．？)｣

恬｢傷が．．．｣

李牧｢っ、何なんだこの光は．．．！！｣


信も、羌瘣も、無事に帰ることが出来た。


『！！はぁ、ふぅ．．．』


それを感じ、光を収める。

その日は、少し安心して眠りにつけた。


次の日


『御神の子らよ！！鄴で暴動が起こり出した！！！』


そう、後ろの騒がしさに目を向ける。


『今こそ、食べものの尽きた鄴の人間を解放してやる時！！
我らは攻撃しない故明け渡すよう説得を始めよ！！』

御神｢御意ィ！！！｣


桓騎軍とおなじ様に、

一般人は殺さない、大人しく城を明け渡せと、声掛けを始めた。


鎹｢ｶｧー！ｶｧー！！伝令ー！伝令〜！！
李牧軍！南下〜！南下〜！
更に後ろから、王翦軍も南下〜！！｣

『！！』

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