梔子 伍

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それから9日後、遂に桓騎の居る前線に到着する。


文｢桓騎から大王様を出迎えると伝令が来ました。
場所はやはりここから北上して少し西にある平野地。
つまり、奴らが軍を配備(････)しやすい場所です。｣

『．．．』

政｢想定内だ。こちらも軍を展開しろ。｣

豹･黄｢｢ハ！｣｣

文｢左翼を作れ｣

｢ハハ！｣

『．．．』(ﾊﾞｯ

蒼･甲｢｢｢｢ハ！｣｣｣｣


Aが手を上げ合図を出すと、御神軍も展開された。


政｢行くぞ｣


展開したまま進み、到着したので下馬。

Aは豹司牙の横に、蒼炎が昌文君の横に並んで、

政を先頭に歩いていく。

後ろや横に並ぶ兵達の中には、御神隊も紛れている。

桓騎の元へ行くと、


『．．．』


椅子にどっかりと座り、机に足を上げている。


文｢オイ！何じゃ貴様その態度は！！｣

摩｢．．．．．．お頭、流石に．．．｣

文｢オイ！！！｣

政｢よい、昌文君。｣

文｢！｣

政｢その男が礼を欠くことは分かっていることだ。｣


用意されていた椅子に、政が座る。


政｢俺がなぜ来たか、分かるな。｣


桓騎の口角が上がる。


文｢くっ｣

政｢回りくどい話は省き、単刀直入に聞く。
なぜ捕虜を虐殺した！｣

桓｢別に。
ただ殺りたかったから殺った。それだけだ。｣


桓騎軍の焦りが高まる。


文｢貴様っ．．．｣

政｢桓騎、軍律で理由なく捕虜を殺すことは禁じている。大将軍とてそれは例外ではない。
そして此度のその数は異常で、許し難きことだ。｣

『．．．』

政｢お前の言葉次第では、この場で "斬首" に処す。｣

桓騎軍｢！！｣

政｢俺はお前と違って冗談を言わぬ。
答えろ。なぜ殺した。｣

桓｢忘れた。｣

政｢そうか。豹司牙、桓騎の首をはねろ。｣

豹｢ハ！｣

黒｢！｣


豹司牙が動き出し、剣を抜く。

それと同時に、黒桜も動き出す。


黒｢わっ、分かってんのかてめェら！そっちも生きて帰れねェぞ！！｣


黒桜も剣を抜き、桓騎の前に立ちはだかる。

笑みが消える桓騎。


政｢そんな脅しでこの断罪は止まらぬ！｣

黒｢お頭逃げろ！ここは……｣

摩｢待ってください！｣

黒｢！？｣


黒桜の剣が折られ、豹司牙の剣が黒桜を斬る直前、摩論がそう言い、動きが止まる。


政｢．．．何だ？｣

摩｢！｣

『．．．』

摩｢ハ、ハイ！私の方から説明させて頂きます！
あっ、申し遅れました。私は桓騎の側近の紳士…いえ、軍師の摩論です！｣

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