梔子 弐

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廉頗｢儂らの負けじゃ。｣


廉頗が負けを認め、この戦が詰んでいることを話す。

Aが張らせた御神軍の囲いも含めて。

そして、蒙驁に和睦を申し込み、蒙驁はこれを受け入れる。

これにより、秦軍の勝ちが決まる。

雨が止み、雲間から陽の光が指す。

廉頗は信との話を済ませ、Aの所へ来る。

立ちはだかる蒼炎達。


『．．．下がれ、蒼炎。』

炎｢し、しかし！！｣

廉頗｢．．．｣

『いいから。』

炎｢．．．ハ。｣


Aが前に出てくる。

ちなみに、フードは取れている。


『．．．』

廉頗｢．．．貴様が、王華か。｣

『．．．』(ﾁﾘｯ

廉頗｢王騎の、娘。｣

『．．．』(ﾁﾘｯ

廉頗｢．．．見事であった。｣

『．．．』

廉頗｢．．．先に戦線を退きよった王騎に伝えておけィ。また酒を飲むぞとな。｣

『．．．相分かった。』

廉頗｢．．．お前は何を目指す。｣

『．．．人が人を殺さぬ世界。無闇矢鱈に人が死なぬ世界。罪なき人が否応なしに死なぬ世界。
戦無き、世界。』

廉頗｢ほォ．．．修羅の道だな。｣

『．．．それを目指すのが秦国大王。』

廉頗｢！｣

『たまたま指標の合致をした。500年続き、もう500年続くやもしれんと言う戦を、武をもって終わらせ、中華の統一をするんだと。』

廉頗｢．．．｣

『そしてそれは即ち、理不尽に人が死なぬ世界に繋がる。ただ、それだけ。』

廉頗｢．．．そうか。｣

『それ以外の刀の取り方を、私は知らない。』

廉頗｢！｣

『ずっと、その為だけに、人を守るためだけに戦ってきていた。父上と会うまでは。』

廉頗｢．．．？｣

『．．．余計なことを言った。詳しく聞きたばまた会おう。父上と共に。』

廉頗｢！ヌハハハハ、そうしようかのォ！！｣


最後に、蒙驁と少し言葉を交わし、


廉頗｢死ぬまで儂は現役じゃァ！！｣


と言って砦を降りていった。


『あ、詩、早急に道を開けるようにと。』

詩｢ハーイ！｣


廉頗達が開けられた道を抜けていく。

秦軍から、蒙驁から、勝鬨が上がる。

信がぶっ倒れる。


『．．．(本当に来そうだな、廉頗。)』


その後、臨時御神軍と別れ、飛信隊･楽華隊等と共に帰路に着く。

正規御神軍や、隆国達王騎軍も一緒に。

そして、羌瘣が飛信隊を一時離脱。

Aも、きちんと飛信隊と共に見送った。

一月かかって無事帰り、

その幾日か後、論功行賞をするため、咸陽に呼び出される。

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