十八挺:危機 ページ19
〜Aside〜
身の危険を感じた。
しかしもう遅かった。
火)「死にたいんだよね？ ね、」
火枝の眼が鈍く光る。
彼は私の手を取り 両手で包んだ。
先程と同じ、温かい手。
背筋が凍る。
思わず顔を上げると
やはり彼は優しく微笑んでいた。
火)「俺が君に憑けば
君は苦しむことなく死ねるよ、Aちゃん」
A)「・・・ぇ」
なに。
何なの。
愕然としている私を前にして
彼は恍惚と続ける。
火)「俺がAちゃんに憑いて死なせてあげる。
君、凄く可愛いから
死に顔もめちゃくちゃ綺麗だと思」
こいつ頭おかしい。
凍っていた身体が軋んだ音を立てて
彼の手を振り払った。
その反動で
よろけて布団の塊に倒れてしまった。
火)「おろろ 大丈夫？」
彼は驚いた表情で
私を起こしにかかる。
触るなぁぁ。
先程の発言が
気持ち悪すぎて
私の身体は火枝に完全拒否を示す。
火)「えっ、なんでそんな目で見るの」
A)「そらそうでしょう！！」
「妖怪」とかの前に
「変態」として警戒すべきである、この男。
「死なせてあげる」なんて初めて言われた。
死にたがりのメンヘラ女子もドン引きである。
しかし相手はウキウキした様子で
更に話を続けた。
火)「死ぬ瞬間が可愛いのは・・・あれかなぁ。
あぁでもその後が結構酷いわ。やめておこう。
他には・・・そうだなぁ・・・」
そうだなぁ、じゃないよ。
勝手にプランを練りだした彼を慌てて制す。
A)「待って、死にたくないから！
もう死にたくないから！！」
「死にたい」なんて呟いたことを後悔した。
とりあえず、この部屋から出よう。
こいつから逃げよう。
ーでもどこへ？
自分の部屋へ戻っても、棕櫚が寝ている。
火枝がもししつこく追いかけて来れば
あの子を危険に晒すことになる。
じゃあ、家の外？
だめだ、ばぁちゃんがいない今
外に出るのは恐ろしすぎる。
どうしよう、どうしよう。
ーその時だった。
「そこの鬼。今すぐ立ち去れ」
聞いたこともない
声が部屋に響いた。
それと同時に
私は目を疑う。
いつ、どこから入ってきたのか
目の前に
銀髪の少年が立っていた。
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スズラン(プロフ) - アーシェ£さん» いえいえ！ですが、楽しみに待ってます！ (2015年5月11日 18時) (
レス) id: 0e2db3a51c (このIDを非表示/違反報告)
アーシェ£(プロフ) - スズランさん» すみません今週中には更新いたします！ありがとうございます！ (2015年5月11日 18時) (レス) id: 71dd7d321a (このIDを非表示/違反報告)
スズラン(プロフ) - いつ更新されますでしょうか？続きが気になります！ (2015年5月11日 18時) (レス) id: 0e2db3a51c (このIDを非表示/違反報告)
アーシェ£(プロフ) - 白紙さん» ほんとですか！嬉しいですありがとうございます！頑張ります^^！ (2015年1月10日 11時) (レス) id: 71dd7d321a (このIDを非表示/違反報告)
白紙 - すごい読みやすくて面白いです！投稿頑張ってください。 (2015年1月8日 12時) (レス) id: 28fb1f4f57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：逃避 x他1人 | 作成日時：2014年10月27日 1時
