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十七挺:もう一つの影 ページ18

〜???side〜




今夜は嫌な風が吹く。


それに、この胸騒ぎ。


木の上から我が庭を見渡すと

賀咲弥一族の家が
禍々しい妖気に包まれているのが見えた。





「また "椿の孫"が何か連れてきたか・・・」





しかしこの妖気、尋常ではない。





あやかしだ。




一体どこで引っ付けてきたのか・・・。





椿の孫たちの霊体を引きつける力は
私でも恐れるほどだ。


特に 姉のA。




もし椿の結界で守られていなければ
とっくにAは霊たちの
傀儡(くぐつ)となっているだろう。


あの娘が己の身を守る術(すべ)をもっていれば話は別。

しかし今の歳ではまだ無理だろう。
私が彼女を守らなければ。







ーそれに


今さっき、椿が救急車で
運ばれて行くのが見えた。


酷く衰弱しているようで
椿の娘やその婿の問いかけなどにも
一切応じていない様子だった。


あいつ、また無理をしたな。


無事だといいのだが・・・。







本当は
すぐにでも椿の様子を見に行きたいが、


椿がいなくなった賀咲弥家は今
とてつもなく危険な状態に置かれている。





守りの結界は弱まり、
おまけにあやかしが一匹
紛れ込んでいるではないか。


家の中にはAと棕櫚

子供が二人。


いつ あやかしに危害を加えられても
おかしくない。



もしものときに備えて
私はこの木の上から 彼らの様子を
見張らなければならないのだ。










「本当に 嫌な風だ・・・」



千切れた木の葉が顔に貼り付くのを払った。











そのときだった。




『ー手伝おうか?』



突然 私の耳に
男の声が飛び込んでくる。


家の中からだ。



声はそのまま、
誰かと話し出した。



片方はAだ。






男の方は

明らかに
棕櫚ではない声だ。




・・・・




嫌な予感しかしない。








「・・・まさか」






木から飛び降り



賀咲弥一族の家の屋根へ飛び移った。






邪なあやかしが
我が領域に入ることなど

決して許されることではない。




何としてでも


やつを追い出しAと棕櫚を守らなければ。

十八挺:危機→←十六挺:手伝い



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スズラン(プロフ) - アーシェ£さん» いえいえ!ですが、楽しみに待ってます! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 0e2db3a51c (このIDを非表示/違反報告)
アーシェ£(プロフ) - スズランさん» すみません今週中には更新いたします!ありがとうございます! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 71dd7d321a (このIDを非表示/違反報告)
スズラン(プロフ) - いつ更新されますでしょうか?続きが気になります! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 0e2db3a51c (このIDを非表示/違反報告)
アーシェ£(プロフ) - 白紙さん» ほんとですか!嬉しいですありがとうございます!頑張ります^^! (2015年1月10日 11時) (レス) id: 71dd7d321a (このIDを非表示/違反報告)
白紙 - すごい読みやすくて面白いです!投稿頑張ってください。 (2015年1月8日 12時) (レス) id: 28fb1f4f57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:逃避 x他1人 | 作成日時:2014年10月27日 1時

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