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一挺:放課後 ページ1

やっと終わった。


今日の分の学校生活。


「放課後」って
ほっとする。


早く電車に乗って
周りに田んぼと山しかない
自分の家に帰りたい。







荷物をまとめ、
逃げるように教室を出た。



廊下で楽しそうにはしゃいでいる
生徒たちを

俯きながら潜り抜けた。


必要以上に群れを成して、
黒く蠢いて、ひとりひとりが
口を開いてそれぞれの声で鳴いて。


人ではない
別の生き物みたいで怖い。


これは、


もう夏休みも明け、学期もかわったのに
この高校に馴染めてない原因の一つでもある。


人が多すぎるのだ。


中学校の頃までは
地元の小さな学校で クラスメイトは5人。


高校生になってから
クラスメイトは43人。

あの狭い教室に43人。



想像しただけでも気分が悪い。



私は、今の学校が嫌い。


そして、



この帰り道も嫌いだ。






学校から駅までの道。



周りに変な街路樹がいっぱい突き刺さってる
赤いタイルの街道。




自分ん家の周りでは絶対にない景色が広がる。
店、人、車、
片道20分の線路を進んだだけでどうしてこうも違うのか。



でももう
この景色には慣れた。


この道が嫌いな理由は他にある。





・・・今も。そう、今も。









目の端にチラチラ映る、中年男性。



そこの道路の標識から
ずっと私を見てる。



今朝 登校中に目が合って以来
こうして放課後も待ち伏せされてる。


本来ならば警察を呼ぶべきだろうけど


彼の脚が透けている限り、
取り合っては貰えないだろう。






見たくないのに、見てしまう。


目が合ってしまったら最後、

どこまでも
どこまでも

嬉しそうについてくる。



そんな『奴ら』が
この道には沢山いる。

だから嫌い。




怖い、とかそんなんじゃなくて。

ただ とてつもなく面倒なのだ。


彼らは、「見える」人間に
救いを求めてくる。


「見える」ってだけで
救世主と勘違いされる。



「成仏の仕方がわからない」
「ここはどこ」
「自分は本当に死んだのか」
「これからどうすればいい」



そんな悩める浮遊霊たちが
下校中の私に付きまとってくる。




あまり関わりたくないので
最近は無視している。


しかし どういうわけか
今日の霊は

しっかり駅までついてくる。


一緒に電車に乗る。
私の隣に平気な顔で座る。




幽霊のオジサマと仲良く下校。




そして
神社である 我が家まで

連れて帰ることになってしまった。

◎人物紹介◎→



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スズラン(プロフ) - アーシェ£さん» いえいえ!ですが、楽しみに待ってます! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 0e2db3a51c (このIDを非表示/違反報告)
アーシェ£(プロフ) - スズランさん» すみません今週中には更新いたします!ありがとうございます! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 71dd7d321a (このIDを非表示/違反報告)
スズラン(プロフ) - いつ更新されますでしょうか?続きが気になります! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 0e2db3a51c (このIDを非表示/違反報告)
アーシェ£(プロフ) - 白紙さん» ほんとですか!嬉しいですありがとうございます!頑張ります^^! (2015年1月10日 11時) (レス) id: 71dd7d321a (このIDを非表示/違反報告)
白紙 - すごい読みやすくて面白いです!投稿頑張ってください。 (2015年1月8日 12時) (レス) id: 28fb1f4f57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:逃避 x他1人 | 作成日時:2014年10月27日 1時

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