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九挺:邪 ページ10

〜A side〜



ばぁちゃんの部屋の前に行くと、
棕櫚が襖に耳を押し付けていた。



A)「何してんの?」



声をかけると
もの凄く驚かれた。


中の会話を聞くのに
夢中だったようだ。



A)「・・・除霊終わったの?」



小声で訊く。



棕)「今 そいつと
ばぁちゃんが話してる・・・」



棕櫚曰く、

「そいつ」は家までついてきただけで
まだ棕櫚の身体に
とり憑くまではいってなかったそうだ。



「ついてくる」と「憑いてくる」の間には
微妙な境界線がある。

憑かれると身体が重くなったり
気分が悪くなったりするので


そこらへんの判断は
自分で行う。

弟は無事だったようだ。




棕)「あいつ絶対 霊じゃないよ」



棕櫚がそばで呟く。



A)「え?」



そういえば
ばぁちゃんもさっきそんなこと・・。








私も襖の奥の声を聞こうと
耳を澄ました。




「・・・」



ばぁちゃんの声と

先ほど聞いた
若い男の人の声が聞こえる。



二人は何かを言い合っているようだ。




明らかに
ばぁちゃんが若い男をねじ伏せてる気がする。








祖母)「ー私の孫にとり憑こうとしたのかい?」


男)「い、いえ、ただ喋ろうと・・」


祖母)「嘘をお言い。
・・・まぁどちらにせよ、除霊させてもらうよ」


男)「ぇ、やだ、やだ〜〜〜」







男が泣きそうな声をあげる。




何故
祖母はあんなに
男に対して当たりが強いのか。


事情の知らない私には
全く わからなかった。


いつもの祖母は

霊にも優しいのに。











祖母)「安心おし。
極楽浄土に送ってあげるから」



男)「い、いや・・いやぁ・・っ」



祖母)「あんたみたいな
邪なあやかしは野放しにしておくわけには
いかないんだよ!」



男)「アッー!」









中で一体 何が・・・。汗





暗い廊下で
棕櫚と顔を見合わせた。




あれ?
・・・そういえば


「あやかし」って?



やっぱり、
棕櫚がつれて来たのは


霊じゃなかったってこと・・・?



棕)「姉ちゃん・・・」



棕櫚もおそらく同じことを考えてたんだろう。


青ざめた顔で
私を見上げてきた。




A)「うん・・・」






・・・・。







しばらく沈黙が流れた。




ーその時だった。





祖母)「ー」






急に、襖の奥から
苦しそうなうめき声が聞こえた。




ばぁちゃんの声だ。




それと同時に、
何かが畳の上に倒れる

鈍い音がした。









え?

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スズラン(プロフ) - アーシェ£さん» いえいえ!ですが、楽しみに待ってます! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 0e2db3a51c (このIDを非表示/違反報告)
アーシェ£(プロフ) - スズランさん» すみません今週中には更新いたします!ありがとうございます! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 71dd7d321a (このIDを非表示/違反報告)
スズラン(プロフ) - いつ更新されますでしょうか?続きが気になります! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 0e2db3a51c (このIDを非表示/違反報告)
アーシェ£(プロフ) - 白紙さん» ほんとですか!嬉しいですありがとうございます!頑張ります^^! (2015年1月10日 11時) (レス) id: 71dd7d321a (このIDを非表示/違反報告)
白紙 - すごい読みやすくて面白いです!投稿頑張ってください。 (2015年1月8日 12時) (レス) id: 28fb1f4f57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:逃避 x他1人 | 作成日時:2014年10月27日 1時

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