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十一挺:夜 ページ12

初めてあんな恐怖を抱いた。

そう言って弟は震えていた。



あいつの姿は「黒い影」だ。

そう言って弟は震えていた。



あいつまだ家の中にいるの?
ばぁちゃんいないのに?


そう言って弟は
さっきから私の側を離れない。





A)「・・・お風呂入ってくる」


私もあの「あやかし」の存在が怖かったが
いつまでも怯えていてはいけない。



ばぁちゃんが病院に運ばれようが
家の中を邪悪な霊魂が浮遊していようが

時間は進むのだ。無駄にはできない。


私は私の生活を貫き通す。



学校生活に対してはボロボロのグッズグズだが
こういうことに関しては割とたくましい
私のメンタルである。



しかし棕櫚は本当に
「あやかし」を怖がっているようで。



棕)「ひ、一人にすんなよ!!
俺も一緒に入るっ!」



とか言い出した。



A)「ぇ」



引き離そうとしても
めちゃくちゃしつこくて

しまいには泣きそうになられたので



しかたなく弟と
お風呂に入りました。















夕飯は母が作り置きしてくれていた。


味が全くしなかった。


母は
倒れたばぁちゃんのことで頭がいっぱいで
味付けを忘れていたようだ。


母の焦りや不安を食べているような気がしてきて
思わず泣きそうになったので

慌てて塩をかけた。





その後


私は自分の部屋で課題を片付けた。


弟も私の部屋に避難して
ベッドの上のクッションを抱きながら
ゲームをしていた。









23時ごろ。
携帯に父から電話がかかってきた。





液晶の奥で
父の声が聞こえる前に

「ばぁちゃんは!?」と訊いてしまった。



父は私を落ち着かせるように
静かな調子で言った。



父)[ばぁちゃんは今のところ大丈夫そうだよ。
でもしばらく入院しなきゃいけなくなった]



身体の力が一気に抜けた。


入院することになってしまったのは心配だが
私はこの数時間 何度も
「最悪の事態」を想像してしまっていたからである。






よかった。


本当によかった。



電話を切り、父と別れた。
両親は今夜は病院に泊まるそうだ。



A)「棕櫚、ばぁちゃん大丈夫だってさ」


私のベッドで寝に入っている棕櫚に
小声で報告した。


弟は寝ぼけながら
喜んでいた。



・・・。



ベッド占領されてしまった私は
どこで寝よう。




部屋は静かになった。

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スズラン(プロフ) - アーシェ£さん» いえいえ!ですが、楽しみに待ってます! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 0e2db3a51c (このIDを非表示/違反報告)
アーシェ£(プロフ) - スズランさん» すみません今週中には更新いたします!ありがとうございます! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 71dd7d321a (このIDを非表示/違反報告)
スズラン(プロフ) - いつ更新されますでしょうか?続きが気になります! (2015年5月11日 18時) (レス) id: 0e2db3a51c (このIDを非表示/違反報告)
アーシェ£(プロフ) - 白紙さん» ほんとですか!嬉しいですありがとうございます!頑張ります^^! (2015年1月10日 11時) (レス) id: 71dd7d321a (このIDを非表示/違反報告)
白紙 - すごい読みやすくて面白いです!投稿頑張ってください。 (2015年1月8日 12時) (レス) id: 28fb1f4f57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:逃避 x他1人 | 作成日時:2014年10月27日 1時

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