東京喰種で！短編集！２ (ページ22)

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気づくと横に丈さんは座ってぼーっとテレビを見ていた。
「ごめん、寝ちゃってた？」
「暇だったよ、まだあと20分はかかるかな？」
「丈さんは彼女作らないの？高校生とかさ、そういう浮いた話ありそうじゃん」
「興味ないな」
「え？」
「お前は来年高校生か...俺はロリコンて言われるのは嫌だな。大きくなったら嫁に来るんじゃないのか？」
「うん、お嫁に行くよ。約束ね？」
「あと俺CCGに入るよ」
「本気で？おばぁちゃんとおじいちゃんは心配するでしょ？」
「実家から通うし。Aの為にも死なないよ」
泣いてるあたしを他所に、おにぎり作るぞ？とソファーを立つ。
「作ってくれるんじゃないの～...」
「手伝えよ？仮病のやつは」
「丈さんに悲しい思いさせられたから、丈さんの番だよ！具はおかかがいいな。ラップ使わないで手で握ってね」

熱っ！って反応する丈さんが可愛いらしい。

「出来たぞ？」
「美味しい、丈さんの味がする～!嬉しいありがとね」
丈さんの襟元に付いてるご飯粒を摘んで食べた。
「風邪って事になってるんだから、俺ん家で寝ろ」

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丈さんはあたしを離れの自分の部屋に連れて行く。
丈さんの部屋は昔からシンプルだ。
余った布団を隣に敷いてくれ、横になった。
「CCGに行ったら会える回数も減る。もちろんアカデミーに入っても休みは会いにくる」
「待ってるよあたし。おじいちゃんとおばぁちゃんはあたしが顔出すから大丈夫だよ？」
丈さんはあたしにそっとキスをして自分の布団に寝た。

花火大会の日、丈さんも浴衣を着てくれていた。
あたしからしたら、完全に大人の魅力だった。
「大人になったな、似合ってるよ」
手を繋ぎ、人気の少ない所で2人で花火をみる。
「虫除けスプレー持ってきてよかったね？」
丈さんは手を繋いできた。
昔の延長線なのか、握り返した。
丈さんに凭れて大輪の花火をみる。
「綺麗だね...」
「あぁ。また一緒に来られてよかったよ」
「来年も来られたらいいね？」
返事がないのは休みかどうか分からないのだろう。
丈さんが高校に入ってこんなに会話したのは久々かもしれない...
帰り道に誘われた。
「祖父母も寝てる。俺の部屋で寝れば？」
握る手に力が篭っている。
「丈さんが良ければ...」
先にお風呂に入り、机に乱雑に置いてあったCCGアカデミーのパンフレットに目を通す。

生きて戻ってね～と声に出していた。
「独り言か？」
「っ！？音読してた...」

そして丈さんは苦手科目を教え始める、この為に呼んだんだね。