東京喰種で！短編集！２ (ページ2)

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「っっ！」
「任務の後で邪魔なんだよ、退けよっ」
あたしと共にプレゼントの箱がひっくり返る...
「あのこれ、雛実ちゃんと食べて？...ごめんね、おやすみなさい」
ラッピングしてあるとはいえ、ひっくり返った箱を見たら涙が出そうになって...急いでその場を離れた。

絢都くんは弱い奴は嫌いだから...いつからかボコボコにされても泣くのを止めた。

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シャワーを浴び、質素なベッドに横になると涙が出てきた。
声を出さないように静かに泣いた。
好きな子と食べるだろう、床に落ちたラッピングされた箱を思い出した。
惨めで悔しかったけど、これでもういつでも死ねると思えた。

ノックがされ、開けると絢都くんが立っていた。

「どうしたの？雛実ちゃん寝ちゃったの？」
「雛実は妹みたいなもんだ、面倒みてるだけで関係ねぇーよ。とっくの昔に脈ねーの分かってたしな」
「余計なお世話しちゃったんだ...ごめん」
箱を受け取ろうとすると、お預けをされた。

「これバレンタインなんだろ？Aは相変わらず馬鹿なんだな？雛実と食べると思ってこんなに大量に作って...」
ズカズカと入ってきてベッドに座る絢都くん。
あたしはベッドの側の床に座る。
「せっかくのラッピングだし綺麗に剥がしてくんねぇ？」
「あ...うん分かった」

剥がしてると絢都くんはベッドに横になった。
「任務上手くいった？」
「そこそこだな...」
ラッピングを剥がしたが、絢都くんは眠ってしまったみたいだった。

あたしは蓋を閉め、床に横になって眠った。

30分くらい眠ってたら、絢都くんの声がした。
「いつまでかかってんだよ、どんくせーな」
「ごめん。寝ちゃったかと思って...」
「目瞑ってただけだよ、腹減った～A食わして？」
ベッドのそばに近寄り、指で摘み口に入れる。
「...美味いな...俺バレンタインもらったの初めてだわ」
「...ならよかった」
「お前も横になれよ？」
機嫌のいい絢都くんを怒らせるのは気が引けて横になる。
「今日ちょっと怪我したんだよな。血でも回復早くなるかもな」
「本当？なら用意してよかったよ。エトさんに味見してもらったんだ...いつ死ぬか分からないからちゃんとあげなよってさ」
「死なせねーよ」

次を待ってるのか口を開ける絢都くんは、だいぶ大人びて日に日にイケメンになっていく。

ゆっくり溶かして、一粒ずつゆっくり食べてくれる。

眠そうに食べているその唇に溶けたそれが付いていて、思わず指で拭って舐める。
思ったよりも甘美な味がした。