PSYCHO-PASS～付き纏う孤独～【狡噛慎也】 (ページ9)

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ギノさんの態度は日に日に冷たくなる。
報告書は教わった通りできてしまう、何かにつけ始末書を押し付けられた。
パワハラも監視官には通用しない...

それを仕上げるまでギノさんはデスクを動かない。
トイレのついでにコーヒーを渡す。
「あたしのせいですみません。すぐ仕上げます」
仕上げても説教をされる...今の彼には何を言っても犬の声に耳を傾ける事はない。
「あたしの色相濁らせるの、そんなに楽しい？ギノさん...じゃあ、狡噛さんの代わりに部屋に見張りに来ますか？ギノさんが」
その言葉から更に説教の上乗せだった...
上乗せした結果、部屋に来た...

「狡噛さんは何も話さず本を呼んでソファーで寝ます。ちなみにシャワーも使わないのでよろしくお願いしますね。あと、指1本あたしにも触れませんから」

ギノさんは本など読まないのだろう...しんと静まりかえった部屋でぼーっとしている。

「ギノさんには苦痛でしょ？あと8時間黙ってるなんて。何か話しますか？」
「本はそんなにいいか？」
気が済んだのか穏やかになってくれて、ソファーに2人で座り話す。
「本しかないからです...自由が許されるなら、ドライブに行きたいな」
「...今から行くか？」
「お願いします」

流れる景色を見て涙が出てきた。
恋をするのは自由、片思いは自由なんだ...今度は思うだけで幸せを感じれる様に自分が変わればいい...

「これで狡噛さんとギノさん仲直りできるかな？」
「さぁな...これで引き下がる様な根性じゃないと思うがな」
「ギノさんはこうやって側に置いておけば満足なの？部屋に居たのが佐々山なら文句もなかったの？」
「佐々山は見境なしだろ」
「じゃあ、ギノさんが見張りに来る時はドライブがいいな...後は勝手に日にちでも相談し合ったらいいよ」

「俺もお前といると色相が安定するんだ」

疲れていたのか、眠ってしまった。
朝起きるとベッドで、ソファーにはギノさんが寝ていた。
管財課から歯ブラシをくすねてきて、マジックで名前を書いて渡してあげた。

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桐野瞳子をまた補導してたのか、昨日の事を見ていたんだろう...
狡噛さんとギノさんの口喧嘩が始まる。
「モテモテじゃん、A～お前もやりゃあできんじゃん」
佐々山に2人の仲裁に入らせる。
征陸さんも苦笑いだった...

「で、扇島の件はどうするんです？使えない監視官達！もっと大事な事件あるでしょ」

標本事件の事もあって、みんな疲れているのは分かっていた。
だから空いた時間に癒されにくるんだ。