PSYCHO-PASS～付き纏う孤独～【狡噛慎也】 (ページ13)

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その非番の日、ずっと線引きがあった分と会えなかった分、何も考えずに体を重ねた。
彼は仕事や雰囲気こそ少し変わってしまったが、あたしには割れ物の様に優しく触れてくれる。
そこは昔から変わらない。
「昔からあたしには丁寧だね？」
「荒々しいのは逆にギノなんじゃないか？俺は好きな女は大切に扱う方だと思うぞ」
「それなんだけどね慎也くん「くんもいらない」...慎也は許せる、ギノさんをハグする事？」

ぐっと抱き寄せられ、首にキスマークを付けられる。

「違うのっ色相が濁りそうな時に話を聞いてハグ！友達にするハグ！許せる？」
「あいつも今回の事と俺の事でヤバイんだろ？」
「そう。話を聞いて子供をあやす様に背中を摩ると下がるんだ」
「それくらいなら手伝ってやれ。本当に...疚しい気持ちはないんだろうな？」
笑っていう慎也にこの前の事をきちんと伝えた。
「ギノさん、あたしが慎也の事好きってちゃんと分かってたよ。色相のために頼むって言われた...兄を捕まえるまで、慎也の色相はあたしが勝手にクリアにするよ」

抱きしめて温もりを分け合う。

「あたしちゃんと呪いの代償として見たよ、資料」
「そうか...同じ目に合わせてやりたいよ」
「それはまだ先の話っ！...ねぇ慎也。佐々山の呪い解いてよ？呪いを解けるのは？」
「俺のキスか？」
「早く解けるといいな、涙が止まらなくなるから」
「呪いが解けるまで俺が何度でもするさ」

そう言うと、優しく深いキスを長くされる。
ちゅっと音を立てて離れる。

「本当はドライブした時、ベッドに寝かせたAにしたけどな」
「本当にっ？」
「した。あの少し前から気になってたけど、あの日好きになったな」
「前にさ...慎也と仲直りして欲しくて、ギノさんに代わりに見張りやりますか？って。気は済んだみたいだけど、慎也は指一本触れないから8時間黙って座ってて下さいって言ったら...困ってたよ？」
「ふっ...だから、する事なさ過ぎてドライブに行ったんだな」

「指1本触れないで、そこに居てくれる慎也を好きになったかな...そういう男気に憧れたし。監視官だから、片思いでよかったんだけど...」
「俺は監視官でも、時期が来たら言うつもりだったよ。執行官だからって俺は替えが利くなんて思えないからな」

彼の胸に顔を埋めて、彼の匂いを吸い込む。
恋をしていいと教えてもらった人と、恋ができた。
女としては、今が1番幸せな時なんだろう。

逞しい腕に抱かれて、久々に悪夢から逃れ安心して熟睡できた。