瓶の中身 ページ17
そして朱ちゃんに通信して伝えた。
「ごめんね、熱出ちゃった...薬貰って早く治すから」
「大丈夫ですよ、今日はゆっくり休んで下さいね」
相変わらずこの子は素直でいい子。
そして志恩の所へ行くとやっぱり弥生ちゃんも居た。
風邪薬を貰い眠れないからと睡眠薬も処方して貰った。
「それ飲んでクマ消してきなさいよ〜可愛い顔が台無し!」
「志恩もタバコ吸い過ぎないでね」
この2人はいつだって頼もしい。
そして自販機の前で大好きな優しいギノさんが寝てろと怒る。
「志恩に睡眠薬処方して貰った!これから部屋でちゃんと寝るよ!ねぇ...ギノさんを恋人にする人も絶対幸せだと思う。いつもずっと支えてくれたてたね?本当に今幸せだよ」
「お前は...「おやすみギノさん! 」」
彼の言葉を遮って部屋へ戻った。
みんなのいた1係が頼もしくて生き甲斐だった。
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部屋でワインを2杯睡眠薬と一緒に飲んだ。
効いてくる前に、テーブルにメモを残した。
ー私は槙島を殺害した狡噛慎也の逃亡を幇助しました。シビュラに私は逆らいましたー
そしてジェリービーンズを手掴みで食べれるだけ食べた。
だってこのカラーの一つ一つの感情が縢秀星なのだから。
どのカラーのどんな意味も彼が教えてくれた。
彼そのもの元気でカラフルで、キラキラした笑顔の大好きな彼氏、縢秀星。
瓶に閉じ込めておくなんて勿体ないから。
居なくなった人は何も感じない訳ない。
彼はギノさんに抱かれたあたしを引っ叩き怒鳴るだろうか?
思い留まり戻って来た事に、馬鹿だなお前には俺のが似合ってるって!って笑いながらいつもの様に優しく抱きしめてくれるだろうか...?
あたしの裏切りは許されるだろうか?
彼をあたしの中に閉じ込めたい。
お腹が空いてるから、だから食べれるだけ食べる。
こうやって食べると一粒よりもフルーティでより秀星っぽく感じる。
残り僅かになった瓶に携帯ゲーム機と香水2つを入れる。
必死で抗った。
でも疑いしか持てないシビュラの秩序の中で生きてはいけない。
秀星なしで、この世界で自分の居場所を上手く見つけられる程あたしは器用でも強くもない...あたしは弱すぎた。
凄く眠くなり意識が薄くなる...
ポケットから槙島の剃刀を出す。
「秀星、仕事終わったし今行くよ」
首に当てて思いきり切り裂く...
暖かい物は涙なのか、血なのか解らない。
誰かに手を引かれている様に、すっと横になる...
あたしの手を引くのは...秀星か、槙島か...どっちなのかな...
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馨(プロフ) - ゆりあさん» コメントありがとございます!結末悩みましたが、残された1係が直向きに活躍していたので悲劇にしました。最後の3ページは本当に言葉を選び書きましたが、ゆりあさんが全てを汲み取って読んでくれたので嬉しさと感謝しかないです。本当にご愛読ありがとうございました! (2021年9月2日 11時) (レス) id: 1060b5bb4b (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 私も彼の最後を飲み込むのにはかなりの時間がかかり、乗り越える事は未だに出来ていません。それぐらい、やるせない終わりだった様な気がします。彼女の葛藤や、最後の選択が、彼女なりの愛と覚悟だったように感じました。心に残る作品をありがとうございました。 (2021年9月2日 0時) (レス) id: 047cedd0b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:馨 | 作成日時:2020年2月8日 5時