愛し、愛されたい (ページ8)

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戦争が終わり、死体が並べられた時に母を探したがやはりいなかった。その代わりか、父と兄が死体として並べられていた。
あの戦争はまだ幼い私にとってあまりにも失うものが大きすぎた。

死のうと思った。生きる気力も、希望もない。生まれ育ち、家族と過ごしたこの地で死ねたらすぐに家族に会えると思った。しかし、共に逃げてくれた女性がこう言った。

死んではいけない。あなたにはこれから生きていく義務がある。生きなきゃいけないの。この戦争で、これ以上の犠牲を出しちゃダメ。悲しみにくれなさい、この戦争を恨みなさい、不平等なこの世界を恨んでいい。だけど、死んではダメ。この世に生まれたことには｢意味｣があるの。家族のために、家族の代わりにその｢意味｣を知るために生きなさい。

そう私に言ったあとその人は私を島から出し、島に残った。あの人が今、どこにいるのかは知らない。エターナルポースがあればあの島に戻れるだろうが、そんなものは持ってなかった。カサラ島という名前で、地図で探したがどこにもなかった。あの戦争で、島は地図から消えてしまったのかもしれない。

もし、ここから出られたらあの女性に会いに行きたい。まだ｢意味｣を見つけられていないが、あなたのおかげで私は生きていると伝えたい。

いつの間にかスープは冷めてしまっていた。スープだけでも完食しようと食べたら、何故かさっきより少ししょっぱかった。